3NF 検波低周波増幅電力増幅用複合直熱3極管
3NFは、2HFと共に1926年に登場した、Nieder Frequenz(低周波)増幅用を命名の由来とする、ラジオ用の真空管で、私の宝物の1本。当時ドイツではラジオの税金が真空管の本数に応じて課税されていたそう(未確認)なので、真空管3本分(検波、低周波増幅、電力増幅)を1本の真空管の中に纏めて押し込んで、ついでに何と抵抗4個とコンデンサー2個も封入してしまった。Loeweでは、"OE333"という3NFを1本用いた単球ラヂオ及び"2H3N"という2HFを1本と3NFを1本用いた2球ラヂオを同時に売り出しており、それらに用いられた。いずれにしても約100年前の真空管が残っているのは天晴れと思う。あと他にコイルとバリコンとラッパと電池があれば、たちまちラジオが出来上がる。ソケットも所持しているので、是非ともラジオを作ってやりたいものだ。
複合管の元祖で、それどころかICの元祖と思う。なお、内部の真空管が1本だけ断線した場合でも、全部を新たに買い換える必要はなく、管を切り開いて、フィラメントを張り替えて、再度内部を真空引きして再利用するサービスも行っていたとのことだ(英国法人からの広告によれば、元々の価格が£2. 3s. 6dのところ、フィラメントの張替えサービスは代金16s. 6dとのことで約38%ほど)。英国では、RNF7の名称で発売された。後になって、パワーアップ版や省電力版など色々と改良バージョンが登場した。後世になって代用球も登場した様だが所持していない。
Loewe 3NF
元箱。厚紙製で中枠部分に木を組んでいる。紐を張り巡らして球を空中で保持して、衝撃を吸収する様になっている。
内部はどの方向から見ても飽きない。本当にドイツのガラス細工の芸術品を見る思いだ。足ピンは、6本で3本のバヨネットピンが付いている。ベースの底に蓋が付いている。
ステムから2本のガラスピラーを立ち上げて、それで各パーツを支持している。上部にガラスビードに支持された水平円筒プレート(フィラメントは一直線)の3極管(LA199相当)が左右に2組設けられている。中央には垂直にやや大型の円筒プレート(こちらもフィラメントは一直線)の電力増幅用3極管(LA175相当)が設けられていて、周りをマイカ板でコの字形に取り囲んでいる。
下部に設けられたコンデンサーが左右に2本とそれらの両側に抵抗が合計4本見える。1つずつガラス管中に封入して中を真空に封じている。ここまで徹底してやるのがドイツ流。
工業生産品でこれだけのものを造り上げるというところにドイツの国民性と誇りとそれらによってしっかりと支えられた確かな技術を感じる。脱帽。
こちらは別の球。初期型。下部の両側に、コンデンサーとその両側に抵抗が真空引きされたガラス管中に垂直に設けられている。
内部の構造は全く同じ。ステムはプラチナ。
フィラメントを点灯した状態。上部の両側の検波と増幅用の2つの電極と真ん中に垂直に出力用の電極が設けられている。そして、出力部の廻りは透明なマイカ板で4面と上面を取り囲んでいる。3つの電極に灯る灯りを眺めていると幻想的な気分に浸れる。
コンデンサーと抵抗のアップ。ガラス管の封止部が見える。
ベース部底面からの眺め。初段部のプレートが引き出されていない点に注目。
こちらも別の球。中期型。内部構造は全く同じ。管壁に赤字でプリントされているLoeweのマークと管名と規格が完全に残っている。Ef=4V,Ep=90~200Vとある。
ベース部底面からの眺め。初段部のプレートが引き出されている(エンパイヤチューブが被せられている)が、ピンには接続されていない点に注目。ラジオセットの感度を上げるために、初段部のプレートを引き出す様に変更された。
こちらも別の球。後期型。基本的な構造は同じである。ただし分かりにくいが、良く見ると、初段(検波部)側の電極をシールドするために、出力部を取り囲むマイカ板に鳩目でリブ付の金属板が設けられている。
シールド金属板部分のアップ。上部に左右2個の鳩目でマイカ板に固定された、右上から左下に斜めに浮き出しリブが設けられた金属板が見える。
ベース部底面からの眺め。見えにくいが、初段部のプレートが引き出されている(途中で切れている)。目に付くのは、フィラメント端子に捲き線抵抗(実測4Ω位)が直列で挿入されている。
3NFB 検波増幅電力増幅用複合直熱3極管
3NFBは3NFの後継品種として登場した。全く同様に差し換え可能だが、メタルスプレーコーティングがされており、内部が見えないのが残念(確認していないが、内部構造も大分簡略化している様だ。)。管壁の赤字プリントも比較的残っている。
ベース部底面からの眺め。初段部のプレートが引き出されている。これもフィラメント端子に捲き線抵抗が挿入されている。
3NFと3NFBの大きさ比較。3NFBの方が一回り太い。
(2009/12/27)
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