227 検波増幅用傍熱3極管
227は、エリミネーター受信機の検波球として開発されました。その後、STタイプの27となり、さらには、37、56、76へと発展してゆき、電蓄やオーディオアンプにも愛用され息の長い寿命を保ちました。AC化に伴うハムの低減対策として開発された傍熱管をポピュラーなものとした点で、ラジオ・オーディオ界にとっての功績は大きいものがあります。傍熱構造(ヒーター構造、カソードスリーブ、サポート構造)だけでなく、プレートの形などが各社や年代によりさまざまで、また201Aと異なり内部の構造が外部から覗けるという魅力と、メッシュプレートが多いという理由から、私の好きな球の1つとなっています。ただ、古い時代の設計のため仕方がないとはいえ、ヒーター電流を1.75Aも食うのには参ります。245/45(1.5A)よりも多いのですから。数が多いため、27STと国産のUY-27Aは別ページとしました。
Radiotron UY-227
ガラスビード支持。
RCA UY-227
マイカサポート。
Raytheon ER227
私の好きなRaytheon 4ピラーですが、227でもマイカ構造などで幾つかのタイプがあります。
左から古いと思われる順に並べました。以下順に紹介します。
矢印タイプ(と勝手に呼んでいる)マイカ。
円形マイカ。
ラベルの違いも楽しいものです。
Arcturus 127
Arcturusの127ブルーにも色々なタイプがあります。
以下に、4つのタイプを並べてみました。
細かい違いがあるものは他にもありますが、大きくこの4種類が基本です。以下、左から順に紹介します。
227としては珍しいトップシールタイプ。
tipが無くなったタイプ。
後期のパンチプレートタイプ。
最後期のS12型。比較的珍しいと思われる。56へと移り変わる様子が出ている。
Cunningham C-327
de Forest 427
こちらは、パンチプレートタイプ。
Philco 27
27と刻印されているが、ナス型。ラベルが綺麗。細かいメッシュプレート。トップはT字型マイカ。
Perryman 227
こちらは珍しいタイトベース。サポートもタイト。
CeCo N-27
緑のラベルが気に入っています。刻印ベース。メッシュプレートが見える。
トップマイカは三角形。
Van Horne 227
ラベルが綺麗。マイカや電極構造も面白い。ベース上部に金属リングが着いている。
Speed 227
マイカや電極構造は、上のVan Horneと同様。
Marathon MY-227
ラベルが綺麗。
unknown 227
見えにくいが、緑/黒の大理石模様ベース。
Majestic G−27
ガラスビード支持。
Majestic G−27S
同社得意のメタルスプレーシールド。
Rogers AC227
パンチプレートでガラスビード支持。
以下は、国産のUY-227を紹介します。
サイモトロン UY-227
ガラスビード支持タイプ。
刻印ベース。製造日のラベルも貼付。
ガラスビードサポート。フィラメントは吊っておらず、カソードは上部からサポートしている。トップには、中央部に丸(三つ巴)にマツダ/その周りにマツダランプ・工場製品のマークがある。
底部には、中央部に丸(三つ巴)にTECのマークと共に、ピンの識別に、F(本当はHだと思うのだが)、C、G(Pはない)と浮き出しマークが付されている。
マイカサポートとなった。フィラメント吊りタイプ。
マイカサポートタイプ。フィラメント吊りタイプでなくなった。
刻印両丸(三つ巴)ベースとなった。
トップからの眺め。トップマークは残念ながら消えている(丸(三つ巴)にマツダと推定)。三角形のマイカサポート。太めのカソードスリーブが見える。
底部には、中央部に丸(三つ巴)にマツダ/マツダランプ・工場製品のマークと共に、ピンの識別に、F(本当はHだと思うのだが)、C、G(Pはない)と浮き出しマークが付されている。
これも刻印両丸(三つ巴)ベース。製造ロットのラベルも貼付。
トップからの眺め。トップマークは丸(三つ巴)にマツダ。三角形のマイカサポート。太めのカソードスリーブが見える。
底部には、丸(周辺部を丸に見立てた三つ巴)にマツダの浮き出しマークとなり、ピン識別の数字はまだ付いていない。
マツダの製造遍歴については、未だ途中ですが、UY-227BとUY-27Aのページも併せてご覧下さい。
マツダ UY-227
茶ベースタイプ。
エレバム UY-227
ドン UY-227
亜種も含めて他にもありますので、順次追加してゆきます。
(2006/05/04)
(2006/09/24)
(2008/12/27)
(2014/07/24)
(2019/03/31)