UX-12AK 電力増幅用傍熱3極管

 UX-12AKは、戦前我が国の並四ラヂオでポピュラーな出力管だったUX-12Aを傍熱化した球として戦後になってNECで開発されました。電極はUY-56のものを流用して(グリッドピッチを粗く変更して)、ヒーターは5V0.4A(UY-56Aのヒーター2.5V0.8Aと全く同じヒーター電力で、これを5V化したもの)として、足は、カソードをヒーターの中点に接続することでUXとし、UX-12Aとそのまま差し換えて使用できるようにしていました。ただし、UY-47Bとは異なり、東芝などの大手も含めて、UX-12Aを保守用として戦後も長い期間に亘って製造し続けたことから、UY-47Bを傍熱化した球を想定して開発された3Y-P1とは異なり、製造メーカーも数社に留まり、あまり普及することなく消えて行きました。

型 名 Ef/V If/A Ep/V Eg/V Ip/mA Gm/μS μ Rk/Ω Ri/Ω RL/Ω Pp/W Po/W ベース
112A/12A 5 0.25 90 -4.5 5 1575 8.5 1000 5400 5000   0.035 UX
180 -13.5 7.7 1800 8.5 1750 4700 10700   0.285
UX-12AK 5 0.4 195 -17 8.5   7.5 2000   10000   0.36 UX
56(56A) 2.5 1(0.8) 100 -5 2.5 1150 13.8   12000       UY
250 -13.5 5 1450 13.8   9500      

 

NEC UX-12AK

管壁に、Nippon Electricと、◇にNECのマークと、管名UX-12AKが赤字でプリントされている。このプリントが少し触れただけでも剥がれるのには閉口する。

少し上からの眺め。グリッド放熱フィンが付いている。

 

 

(2020/10/25)

 

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