6Z-P1系 電力増幅用傍熱5極管
6Z-P1は、42と共に、我が国のラジオの電力増幅用としてポピュラーな球だった。昔は、せこい感じがして嫌いだったが、今では、いかにも日本的な球として、ST12型の姿と相俟って気に入っている。3結にしても素直な音色でなかなか馬鹿にできない。
歴史的には、初めに、戦前というか戦中に、局型レス球の、12Z-P1(12V0.15A)が開発され(米国の6G6G(6.3V0.15A)がお手本と言われているが、ヒーター電力の違いに日米の技術力の差が如実に現れている。)、戦後、175mAレス球シリーズ用に、ヒーターを強化した12Z-P1A(12V0.175A)が登場して、その後やっと6.3V化した6Z-P1(6.3V0.35A)が登場した。後になって、UY-47Bの保守用として流用され、ヒーターを2.5Vとし、足をUYとした3Y-P1が登場した。我が国独自の球だが、国内各社で製造された。
マツダ 12Z-P1
赤刻印ベースの初期型。〇に放マーク。ニッケルプレート。サイドマイカ付きのトップマイカ。昔のものはしっかりと造ってある。
別の球。赤刻印ベースの初期型。ニッケルプレート。造りは同じ。
サイドマイカ付きのトップマイカ。トップマーク。造りは全く同じ。
戦中型。丸の中に管名。反対側に丸にマツダマークと下に丸放マークが見える。緑色ガラス。足は真鍮ピン。
戦後の一級プリント。ニッケルプレート。
定価370円とある。
戦後も大分経ってからの保守用。丸にマツダの下に、八角形の中に管名。プレートはカシメ型。ガラスはなで肩タイプ。
マツダ 6Z-P1
なで肩になる前。〇にマツダと管名が金プリント。反対側に一級マーク。ニッケルプレート。プレートにカシメ孔は無い。
トップからの眺め。マイカ板の支持構造に独特の拘りが見受けられれる。
なで肩になった。ニッケルプレート。銀プリント。プレートは孔を開けてカシメてある。カシメ孔は片側3個。
マイカ板の支持構造も少し替わった。
マツダ 3Y-P1
なで肩になる前。ニッケルプレート。銀プリント。プレートにカシメ孔はない。
マイカ板の支持構造に独特の拘りが見受けられる。
JRC 6Z-P1
下の球より古いと推測している。リブ付きの黒っぽいプレート。二重丸の中にJRCと上下に分けて6ZとP1とスタンプされている。一級マークは無く、○に検マークがスタンプされている。
トップからの眺め。マグネシア塗布が無い。
独特のリブ付きのニッケルプレート。八角形の中にJRCと上下に分けて6ZとP1とスタンプされている。一級マークもスタンプされている。
こちらは違う球。プレートは同様。マークが八角形の中に6ZP1と四角にJRCとが2つに分けてスタンプされている。一級マークもスタンプされている。
ゲッタ台が違うだけで、他は同様の様。
こちらも違う球。大きな元箱入り。
大きいと思ったら、中の包装はヨーロッパ風。流石にJRCだけのことはある。
こちらもプレートは同様で、マークも八角形の中に6ZP1と四角にJRCとが2つに分けてスタンプされているがロゴが微妙に異なるでしょうか。一級マークもある。
構造的な違いは見当たらない様。
その後普通の元箱になった。中身の構造は全く同じ。
日立 6Z-P1
リブ無しの通常のニッケルプレート。カシメずに溶接で形成している。日立のマークと下に"昭和24年1月"とプリントされている。一級マークもある。
グリッド放熱フィンが細いのが目に付く。
松下 12Z-P1
銀プリント、フィン付きのニッケルプレート。
銀プリント。リブ付き黒化プレート。上の物よりも後期型と推測している。
TVC 12Z-P1
プリントマークは、マツダに似(せ?)ている。丸にTVC、その下に八角形の中に管名。
TVC 3Y-P1
丸にTVC、その下に八角形の中に管名。カタカナで”イ”ともプリントされている。
TVC 6Z-P1
なで肩でニッケルプレート。ガラスも厚い感じで良く造られている。プレートは孔を開けてカシメてあるがカシメ孔は片側2個。
NEC 3Y-P1
管壁に赤プリント。ニッケルプレート。フランジは、溶接。カソードスリーブの頂部を潰すことで、ヒーター中点と接続しているのは実用新案だったはず。
PRC 3Y-P1
白プリント。ニッケルプレート。フランジは、カシメ。(PRCはNECの2級品と書いていたが、管種によって複雑で良く解らない。)
ベスト(BESTO) 3Y-P1
銀プリント。黒化プレート。プレートは孔を開けてカシメてあるがカシメ孔は片側3個。
ベース底部。昭和30年2月製。
シャーマン(Sharman) 6Z-P1
管壁に、ブランド名と管名とが白色でプリントされている。スペルが違うのはご愛敬。
不明 6Z-P1
管名の上にブランドが白色でプリントされていた様であるが、〇の輪郭の一部を残してほとんど消えてしまっており、判読できない。
他にも見つけ次第追加する。
(2009/05/24)
(2010/04/25)
(2010/05/30)
(2010/06/27)
(2011/07/24)
(2016/03/27)
(2018/07/29)
(2021/06/27)
(2021/10/31)