112A/12A 系 万能型(我が国では電力増幅用)直熱3極管
UX112Aは、UX201Aでは出力不足となったために、万能型の球として開発された。我が国では専ら電力増幅用として並四ラヂオの出力管として用いられた。
RCA UX112
112Aとなる前の、オリジナルタイプ。フィラメント電流0.5A。ライムゲッターの初期型。
Van Horne 5VC
Gold Seal X-112
独特の面白い形状。
De Forest DV7
アイソランタイトベース。足はUV。ガラス管が太めのタイプと細めのタイプとがあったが、これはスリムタイプ。
De Forest DV7
DV7の足をUXとした球。スタンプも黒枠型となった。
以下にAタイプを紹介する。
Cunningham C112A(CX112A)
箱には、C112Aと印刷されている。
刻印は、CX112Aと打たれている。
Raytheon ER112A
元箱。
4ピラーでボックスプレートタイプ。旧型プレート。
元箱。
こちらも4ピラーでボックスプレートタイプ。新型プレート。
Arcturus 012A
美しいブルーチューブ。
CeCo F-12A
赤いラベルが気に入っている。刻印ベース。
以下は国産のUX-112Aを紹介する。
CYMOTRON UX-112A
元箱。"検波及増幅"とある。米国RCAの箱をそのまま翻訳している。我が国では専ら電力増幅用に用いられた。
刻印ベースでCYMOTRONとUX-112Aと刻印されている。
別の球。同様に、刻印ベースでCYMOTRONとUX-112Aと刻印されている。
ベース底面。〇にTECの浮き出し模様がある。
エレバム/Elevam UX-112A
管壁にMSEとElevamのマーク。
別の球。
こちらは、トップにMSEのマーク。
NEO UX-112A
ラベルには、"TRADE MARK NTK RADIO TUBE 純國産代表品 責任保證"とある。ベースにはNEOのマークの刻印。反対側の管壁には、NEOのマークと管名がプリント。
Naldan UX-112A
元箱。
管壁には、Naldanのマークと管名がプリント。
以下はSTの12Aを紹介する。
Raytheon 12A
元箱。
これも、4ピラーでボックスプレートタイプ。
Arcturus 12A
元箱。
Champion 12A
以下は国産のUX-12Aを紹介する。UX-12Aは、国産並三・並四ラヂオ、ラジオでの標準出力管だった。外形は、アメリカ製のST14と異なり、ST12と細身となっている。
左がアメリカ製のArcturus 12A、右が国産ドン UX-12A。改めて並べると大きさの違いを実感する。
以下に、国産の12Aを並べてみた。他にもあるが、ラジオセットに挿さったままなで、その都度追加する。
マツダ UX-12A
左から、刻印両丸、刻印赤、一級プリント、なで肩タイプ。
以下に、1本ずつ、左から順に示す。
赤刻印タイプ。管壁に放マーク。
トップからの眺め。
ベース底面には、マツダの浮き彫り。
別の球。こちらも、赤刻印タイプ。管壁に放マーク。
トップからの眺め。○にマツダのマークが見える。
別の球。赤刻印タイプ。〇にマツダと〇放マーク。緑ガラス。
別の球。こちらは、刻印ベースで、真鍮ピンタイプ。注目ポイントは、プレート材の下部に穴が開いていること。
トップからの眺めには変化無し。
その他のメーカーの国産UX-12A達
左から、DON刻印、DONプリント一級、BESTO刻印、エレバム一級プリント、不明2本。
以下、左から順に1本ずつ紹介する。
ドン/DON UX-12A
戦前の刻印タイプ。プレートのDONのエンボスマークが美しい。管壁にDONのラベルと日本放送協会認定の○放(認定番号31050)の赤ラベルと東京真空管工業組合統制証のオレンジのラベルと赤プリントの管名。
トップにはDON・RADIO・TUBEの赤マーク。残念ながらフィラメントが切れている。
元箱。
戦前の刻印タイプ。プレートのDONのエンボスマークと、管壁のDONのラベルと東京真空管工業組合統制証のオレンジのラベルと赤プリントの管名はそのまま。
トップマークが日本放送協会認定の○放の赤マークになった。上の日米大きさ比較に登場した球。
こちらは別の戦前の刻印タイプ。プレートのエンボスマークが美しい。足ピンが鉄になった。
トップには〇放マーク。
こちらはまた別の戦前の刻印タイプ。プレートのエンボスマークが美しい。
こちらは、戦後のプリントタイプ。プレートのエンボスマークが無くなり、トップマイカの形も変わった。
こちらも、同様に戦後のプリントタイプ。表に"DON"、裏に"DON mott"のプリント。一級マークも付いている。
BESTO UX-12A
「放」マーク付き。
エレバム/Elevam UX-12A
管壁にMSEと放のマークと管名。ベースは刻印。
トップマイカは十字型。
こちらの球は、管壁に東京真空管工業組合統制証のオレンジのラベルと銀プリントの管名。ベースは刻印。
トップマイカは同じ十字型。但し、トップにエレバムMSEのマーク。
別の球。ゲッターが多くて内部が良く見えない。ベースは刻印。
トップマイカは同じ十字型。トップにエレバムMSEのマーク。フィラメントが断線している。
ベース底部からの眺め。
こちらは戦後のプリントタイプ。トップマイカの形が変わった。
不明
これら2本は、製造メーカー不明であるが、割合しっかりと作られている。
NEC UX-12A
赤プリントタイプ。
松下 UX-12A
銀プリント。プレート両端フランジ部を開いて放熱フィンにしている。
ゼット(ZET) UX-12A
管壁に"ZET"とその下に管名が白プリントされている。また、一番右の写真では"KM4"ともプリントされている。
上部からの眺め。
マツダ UF-12A
足が欧州型4ピンUFタイプの軍用の12Aです。ラベルには、"昭和10年10月製造"とスタンプされている。資材が苦しくなる前の製造だけに良い造り。
ベース底部。〇にマツダの浮彫マーク。
トップからの眺め。当然ながら、ベース以外はUX-12Aと全く同じ造り。トップには、薄いが、○にマツダのマークが残っている。
刻印ベースで管壁に八角形の囲み中に管名表記となった。反対側の管壁に〇にマツダのマーク。ガラスが緑っぽくなった。
トップからの眺め。
元箱。管名はスタンプ押し。
刻印ベースで無くなった。管壁に八角形の囲み中に管名表記。反対側の管壁に〇にマツダのマーク。ラベルには、昭和18年8月製造とある。
トップからの眺め。
元箱。他の箱を流用して、管名のところに紙を貼って、その上から管名をスタンプ押ししている。
上の球と造りは同じ。ラベルには、昭和18年12月製造とある。大日本帝国陸軍用の☆マークが捺されている。
トップからの眺め。
ベース底部。プレートピンの基部に赤色塗料をマーキングしている。
これら以外にも変種があるので、見つけ次第随時追加する。
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