WE212D 送信用直熱3極管
発振、変調や送信用の出力管として開発された。フィラメントは14V6A(=84W!)、プレート損失250Wという途轍もない球だが、堂々とした姿に惹かれる。WE211Dが可愛く見える程。私が所持している球の中でもトップクラスの大きさ。フィラメントは、太いリボン状のオキサイドコーティング型で、WE212Eとなって、トップチップが無くなり、トリタンフィラメントになった。WE212Eのμが小さい球がWE308Bとなる。丁度211と845の様な関係。
これだけ大きい球だと、プレート電圧に1500V位印可して(規格上はシングルで40W出る!)、さぞかしエネルギッシュで豪快な音がするかと思いきや、そう単純でないところがオーディオの面白いところ。ゆとりのある伸びの良い音がして好きな球だが、実際に使うとなると躊躇してしまう。
型 名 | Ef/V | If/A | Ep/V | Eg/V | Ip/mA | Gm/μS | μ | Rk/Ω | Ri/Ω | RL/Ω | Pp/W | Po/W | ベース | 備 考 |
211 | 10 | 3.25 | 1000 | -61 | 53 | 2750 | 12 | 7600 | 75 | 12 | BigUV | |||
845 | 10 | 3.25 | 1000 | -145 | 90 | 3100 | 5.3 | 1700 | 6000 | 100 | 24 | BigUV | ||
WE212D | 14 | 6 | 1250 | -40 | 200 | 8500 | 16 | 1900 | 3000 | 250 | 40 | JumboUV | ||
WE308B | 14 | 6 | 1500 | 167 | 7500 | 8 | 1070 | 250 | 50 | JumboUV |
WE212D
元箱に梱包されている様子。
球自体が大きいため、写真も大きくした。グリッドとプレートの引き出し部分をコイル状としている。なお、管壁の着色は、製造時のフィラメント活性化処理によるものと思われる。直径88mm 全長33cm 重量626g
上下にセラミックサポート。幅広のフィラメントを、4本吊りの大きなコイルスプリングで保持している。プレートには全面に襞加工。管壁に特許日がプリントされている。最後(最新)は、"4-22-24"(1924年4月22日)。
ベースの底はベークライト。ソケットも専用のものが必要となる。
こちらは別の球。ベースに黒色でプリントされている。直径88mm 全長33cm(足ピン除いて30.5cm) 重量720g なぜか、こちらの方が少し重い。
トップからの眺め。
ボトム部のアップ。
底面部のアップ。
unknown 4212H
メーカー不明だが、英国のSTCかITT製と思われる。巨大なグラファイトプレートにトップシール。球屋のオヤジは”mT管のオバケ”と呼んでいた。直径88mm 全長27.5cm(足ピン除いて26cm) 重量504g ボタンステムとなったので、全長が短い。
トップからの眺め。フィラメントはトリタンなので煌々と輝く。
底面部のアップ。
上のWE212Dと4212Hとを並べてみた。
(2008/02/02)
(2020/11/28)