VT-14/CG-1162 送信用直熱3極管

 

 VT-14は、TypeT Pliotron という名称で、第一次大戦中にGEが製造・供給した軍用の送信管です。米海軍用の名称では、CG-1162となります。発振・変調に用いられ、Ep350V40mAで発振出力5W得られたそうです。戦後になって、アマチュア向けに放出されました。これから発展して、UV-202が開発され、続いて210へと連なって行きます。

 

大きさ比較

左から、CG-1162RCA UV-202 BB TT、 RCA UV-202 Bakelite Base、 RCA UX-210

進化につれて、外囲器(ガラスバルブ)と併せてプレートも大型化しているのが判る。フィラメント電力は逆に小さくなって改良されている。

 

 これでオーディオアンプを造ると面白いものが出来上がるのではと思っているのですが、今のところ計画だけで留まっています。(前段をWD-12CG-1787で、終段をCG-1162、整流をTB-1で、と考えているのですが電源部の電圧降下が大きそうです。)

 

VT-14

初期型。ゲッターの影響か薄く着色している。プレートは円筒形でステム側の下から2ヶ所で溶接して支えている。材質はモリブデン。ステムはジュメット。ベースはShaw Base。足はUV。足ピンは真鍮で先に金合金か銅合金のチップが付いている。フィラメントは中央部を支柱で支えた2重螺旋型。純タングステンで煌々とトリタンよりも白っぽく輝く。グリッドはその廻りをやはり自立した2重螺旋で取り囲んでいる。結構発熱する。

CG-1162

こちらは元箱。裏面には、最後の特許が"OCT. 31, 1916"とある。なお、上部または下部には紙で封がしてあって、そこには、"[a] Licenced only for amateur, experimental or entertainment use. [b] These tubes are sevral years old and were originally purchased as tranmitting tubes. [c] These tubes fit ordinary commercial sockets for transmitting sets. They mey be used as detective and amplifying tubes for receiving purposes, and may be used in transmitting tube sockets by re-slotting the receiving tube socket about 45 degrees from the usual slot. [d] These tubes were purchased from the U.S.Government"と書かれている。

CG1162と管壁にエッチング。プレートの形だけが変わり、やや大きくなった。美しく光るモリブデンプレート。上下の板を切り開いて2本の支柱にそれぞれ巻き付けている。

 

後期型になるとBrass Baseとなり、底がセラミックとなった。

 

(2010/08/29)

(2010/09/19)

 

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