TB-1 電圧調整用直熱2極管

 

 TB-1は、第一次大戦中にGEが製造・供給した軍用の専用管です。飛行機の翼に取り付けた風力発電機の出力を飛行速度に依らずにほぼ一定として、搭載の通信機の真空管のプレート電圧を一定に制御するために用いられました。戦後になって、アマチュア向けに放出され、350V60mAの整流管として市販されたそうです。

 これでオーディオアンプを造ると面白いものが出来上がるのではと思っているのですが、今のところ計画だけで留まっています。(前段をWD-12CG-1787で、終段をCG-1162、整流をTB-1で、と考えているのですが電源部の電圧降下が大きそうです。)

 

TB-1

こちらは元箱。裏面には、最後の特許が"OCT. 31, 1916"とある。

梱包から取り出した状態。

メタルベースもピカピカで100年以上前の球とは思えないほど綺麗な状態。梱包綿もオリジナル。

初期型。TB1と管壁にエッチング。美しく光るモリブデンプレート。上下の板を切り開いて2本の支柱にそれぞれ巻き付けている。ステムはジュメット。純タングステンで煌々とトリタンよりも白っぽく輝く。フィラメント電圧は7.5〜10V。発熱も大きい。フィラメントの太さやピッチは微妙に異なる様だが、丁度CG-1162からグリッドを取り除いた様な印象。ステムの内部には、絶縁用と思われる綿(石綿?)を詰めている。

ベースはShaw Base。足は節約してUVの3ピン(この頃は米国も貧しかった?)。足ピンは真鍮で先に金合金か銅合金のチップが付いている。フィラメントは中央部を支柱で支えた2重螺旋型。構造的に3B24などの元祖といえるかも知れない。

 

後期型。管壁のエッチングは同様。Brass Baseとなり、底がセラミックとなった。ベースは前オーナーが磨いた様で綺麗。ステムの内部には、絶縁用と思われる綿(石綿?)を詰めている。

ベースの底面は、UVベースの4本足を1本切断している様。

 

5本入りのカートン箱。100年以上昔のカートン箱がそのまま保存されているのは天晴れ。

カートン箱の両側面。

開封した状態。3本入っている。中から取り出した箱を並べたのが下の写真。

 

3個の内の1個の元箱。特許日等も全く上の最初の球の箱と同じ。

箱の中から取り出した状態。

中から出て来た球。

未使用のまま100年以上保管されていた球。ベース部に若干錆があるものの、比較的綺麗な状態。外観は、2番目の球と全く同じだが、ステム内部の綿(石綿?)が省略されている。側面のガラスエッチングもプリントを併用しているのかクッキリとしている。

底部と上部からの眺めは同様。

3箱の内の2箱目。1箱目と全く同様。

箱の中から取り出した状態。

中から出て来た球。

当然ながら、上の球と全く同様。

これら3本の球を並べてみた。

 

 

(2010/08/29)

(2023/03/26)

 

                          総目録 真空管トップ トップ