WD-11 万能型直熱3極管

 

 WD-11は、乾電池でも使用可能な様にと、1922年にWestinghouseで開発・製造され、RCAに供給されました。当時としては画期的な省電力の1.1V0.25Aのオキサイドコーティングフィラメントを持っていて、電池管のルーツということになります。WestinghouseのラヂオAeriola Srや、RCAのラヂオRadiolaV等に使用されていたため、補修用の需要から異常に高価な球となってしまいました。ものの本によると、1923年中頃に一般用に発売され、1924年9月には、バルブ径が小型化され(T10型→T8型)、真鍮ベースがベークライトベースとなり、1925年2月にトップシールが無くなってマグネシウムゲッターが導入されたとのことです。同一規格の球を標準UVベースに装着したものがWD-12となります。

 

RCA/Radiotron(Aeriotron) WD-11

真鍮ベースでトップチップの初期型。内部電極の構造は、同軸円筒型プレートと上下に吊られた一直線フィラメントとスパイラルグリッド。

ステム部分に石灰様のライムゲッターが見える。見えづらいが、管壁にWestinghouseのマークがエッチングされている。

脚ピンは、同時期のWR-21との誤挿入を防ぐために、プレートピンのみが太い特殊型となった。底は、黒色ベークライト。ベース下部中央に突起が見える。

 

別の球。造りは同じ。ラベルが2枚貼られている。ライムゲッターが僅かに脱落している。

トップからの眺め。

底部からの眺め。

 

Tungsram WD11s

864のベースをWD-11ベースに交換したもの。管壁には864とプリントされたまま。WD-11の代用品として良く働く。

 

GE WD11

GEWD11ということで購入したが、どうみてもHytron辺りの864をリプリントしたものと思われる。足はUXのまま。WD11を名乗るのであれば、せめて足くらいは揃えて欲しい。本物(?)のWD-11として使うには、アダプターが必要。

 

他の球についても、順次追加してゆきます。

 

(2008/12/27)

(2009/01/17)

(2012/02/26)

(2017/11/26)

 

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