SAV 111 増幅用直熱3極管

 

110は、1920年代前半にドイツのSAVがラヂオ用に開発した真空管と思われる。

浅野勇氏の「(正)魅惑の真空管アンプ」には、電池式時代にドイツから乾電池用の初めての経済球として、1.5V用のFuth,Ultra,Telefunkenなどのタマが輸入されたこともありましたが、同じ4本足でも米国製のUVやUXソケットに合致せず、これが原因で普及することなく終わった・・・」(p.163)との記載があるが、まさにこの球が電池式時代にドイツから輸入された球の内の1本かと思うと感慨深いものがある。

何れにしても100年前(我が国でいえば、大正時代!)の球が未使用元箱入りの状態で残っているのは天晴れ。

 

元箱は、SAV 101の箱を流用して手書きで修正している。

トップシールでメタルベース。管壁には、メーカー名や管名が見当たらないが、ラベルが貼付されている(オリジナルかどうかは不明)。増幅用とある。メタルベースは綺麗なクロムベース(と思われる)。足ピンは先割れ式の初期型UF4ピン。内部構造は欧州伝統の横向き円筒プレート。プラチナステム。外見では、同社製の110と区別が付かない。

底面はベークライト。ちなみに、ベース下部の凹みで底板を固定している(と思われる)。

上部からの眺め。

 

 

(2024/06/30)

(2024/12/29)

 

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