6M-E10 同調指示管

 

 6M-E10は、同調指示管(マジックアイ)である6E5をmT管タイプとした6M-E5をトランスレスラジオ用に低電圧用として開発された。外見的には、6M-E5と区別が付かない。

 昭和32(1957)年4月号の”電波科学”の「国内新製品」の欄には、「東洋無線では12ZE8をmTにした6ME10を発売した。ヒーターは6.3V150mAであるから、12BE6-12BA6-12AV6-6ME10-30A5-25MK15のライン・アップで使うとヒーター電圧の合計は99.1Vとなり、電源事情が加味される場合は有利である。12ZE8と同様に100V付近で安定な蛍光パターンを表示し、最大定格は130V、6E5Mと全く同じ寸法なので、アダプターは同じものが使えるから便利。(東京都世田谷区若林町75 東洋無線K.K.)」とある。

 

東芝 6M-E10

東芝の箱だが、元箱ではない。以前の所有者が手書きでラベルを貼り付けている。

ベースに茶色でメーカー名をプリント。管壁に銀色で型番をプリント。プレートはリブ無し。1ヶ所カシメ止め。

トップ排気とすることができないためガラスの底部から排気している。そのためベークライトのベースを設けて、足ピンは、中空パイプ状のものをベースに埋め込み、その中に手作業で1本ずつステムからのリード線をベース中部から挿入してベース外部で1本ずつ半田付けするというST管と同様の作業をmT管のスケールで行っている。まさに、(当時の)日本人の女工さんでなければできない細かく根気の要る手仕事だったでしょう。

トップの眺め。本当に6E5のミニアチュア版。

 

 

(2017/08/27)

(2025/09/28)

 

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