4P55 送信用傍熱5極管
4P55はNHKの依頼を受けて東芝が開発した、我が国独自の放送局用の送信管です。ヒーターは6.3Vで2.6Aですが、これのヒーターを6.3Vから12V(12.0Vであって、12.6Vではない。電流は1.6A)としたのが4P56となります。
東芝 4P55
新型の元箱。
全長160mm×最大直径75mmとあります。ずんぐりとした姿とどっしりとした重量感に痺れます。プレートは、最大損失120Wで、2枚のΩ状と4枚のコの字状の板をリベットで留めて放熱フィンを併せて形成して、さらに表面にジルコニウムを塗っている。内部には、並列に2本の太いヒーターが封入されている。管壁には、Toshibaのマークと管名が赤字でプリントされていて、1本毎の製造番号もプリントされている。管壁の別の面には、見えづらいがNHK 56.5と白色でプリントされている。1956年にNHKに納入されたもの。ベースはアルミ製の新型。足は5本足。
上部からの眺め。トップにはプレートとG3が引き出されている。管壁にPとG3と赤でペイントされている。精巧に造られているG3の構造が上部から見える。分厚い耐熱ガラスに収められておりどっしりとした感じ。見るだけで惚れ惚れとしてしまいます。
底部からの眺め。白いセラミック製の底板には、中央に管の排気部を納める大きな穴が空いており、他に5つの穴が空いている。これらの穴はソケットの対応する部分にも設けられており、ベースのハカマ部分の穴と相俟って通気口となり、球の空冷を図っている。
4P55(56)と4B85とWE701Aとの大きさ比較をしてみました。
左から、6V6GT 6AR6 4P55(56) 4B85 WE701A です。畳の目の大きさからも球の大きさが判ります。4P55(56)や4B85は6V6GTで、WE701Aは6AR6で、各々ドライブしたいと思うのは私だけでしょうか。
(2013/01/20)
規格表 アメリカ製オーディオ球 55ナンバー 総目録 真空管トップ トップ