UY-227B/UY-27B 検波増幅用傍熱3極管

 UY-227Bは、ラヂオの検波管であるUY-227にそのまま差し替えて感度アップを図るべく、そのグリッドピッチを狭めて、μを9から30に増大させた(但し、ヒーター電流は1.5Aに改良)球として我が国で開発され、各社で製造されました。丁度、直熱管におけるUX-240UX-201Aの関係と同じです。後に、UY-27Bとなり、STタイプとなります。但し、ヒーター電流やμなど若干規格が異なるので、UY-27Aではなく、UY-56からグリッドピッチを狭めたのかも知れません。

 「無線と実験」におけるKOトロン(ケーオー眞空管製作所)の広告を見ると、昭和7(1932)年7月号に「ペントードセットには超検波球UY227-B 最新球 新発売 UY-452 双子増幅球 UY-247-B 小型ペントード UY-247-C 同上・・・F.V1.5 F.AM.1 UY-295 テレビジョン用受信球 KX-280-B 中間半波整流管 UY227-B 超検波増幅球」とあり、昭和7(1932)年9月号には、「ラヂオ用眞空管 KOトロン 新球続々発売 KOトロン新球使用はアナタ方の誇りであり ラヂオ通たるシンボルである。 国産唯一の優秀球とは・・・・ 1.超検波球 KO-UY227-B 227のソケットに入れてそのまゝ直ぐ使へる。部分品が僅少で能率強大増幅率は227の2倍以上 2.改良小型ペントードKO 247-C 226二本の代りに高級品ペントード球が安価で簡易に使用出来る。 新発売 UY227-B UY247-B UY247-C KX280-B KX506-B UY-452 UY-295」とあり、同p.738には、「KOトロンUY295現はる かねてから研究していたKOトロン製作所では、此程UY295UY227BUY247Cを完成して、市場に出した。・・・」ともある。これによると、UY-227Bは、KOトロンがオリジナルとなって「超検波球」として大々的に売り出されたものであることが判ります。

型 名 Ef/V If/A Ep/V Eg/V Ip/mA Gm/μS μ Rk/Ω Ri/kΩ RL/kΩ Pp/W Po/W ベース 備 考
227/27 2.5 1.75 250 -21 5.2 975 9   9.25       UY  
UY-27A 2.5 1.5 250 -21 5.2 975 9   9.25       UY  
UY-227B 2.5 1.5 180 -4.5 3 1500 30   20       UY  
UY-56 2.5 1 250 -13.5 5 1450 13.8   9.5       UY  
UY-27B 2.5 1 180 -3 6.3 1800 27   15       UY  

 

マツダ UY-227B

刻印両丸(三つ巴)ベース。製造ロットのラベルも貼付。

トップからの眺め。トップマークは丸(三つ巴)にマツダ。三角形のマイカサポート。太めのカソードスリーブが見える。

底部には、中央部に丸(三つ巴)にマツダ/マツダランプ・工場製品のマークと共に、ピンの識別に、F(本当はHだと思うのだが)、C(Cathodeであって、Kではない。)、G、P(「Pはない」としていましたが、ちゃんとありました。訂正します。)と浮き出しマークが付されている。

 

これは別の球。刻印両丸(三つ巴)ベースで上の球と作りは同じ。製造ロットのラベルがない代わりに、〇にKのマークが付いている。

トップからの眺めも全く同じ。

底部の眺めも全く同じ。

 

刻印ベース。両丸でなくなった。

トップからの眺め。三角形のマイカサポート。太めのカソードスリーブが見える。

底部には、丸(周辺部を丸に見立てた三つ巴)にマツダの浮き出しマークとなり、ピン識別もGが1、Pが2の左回り(すなわち上置きソケットでは右回り)の数字となった。

 

(2019/02/23)

(2019/03/31)

(2020/01/26)

 

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