WE101D/101F系 電圧増幅用直熱3極管

 

 WE101Dは、101シリーズとして電信電話のリピーター用にWestern Electricで古くから開発され、広く用いられた。通称テニスボール型のメタルベース時代のものでも4万時間寿命があった(朧気な記憶では海底通信線の中継器にも使われた様な)のとのことで、100年も昔のものでもLED電球に負けていないのは天晴れ。続いて、ベークベース時代にフィラメント電流を半減(1A→0.5A)したWE101Fが登場した。ST管時代になってからも軍用にも転用された。直熱3極管としてWEらしい力強い音を手軽に実感するには最適の球かと思う。WE101DWE101Fとを差し替えるとフィラメントの太さの違いによる音の傾向を実感することができる。各国で同型管や類似管が製造され、技術導入していた我が国のNECでも製造された。

 

WE101D

こちらは初期型のテニスボール型の中でも最初期型のブラスベースタイプ。当然ながら板極型の電極が納められている。残念ながらガラス棒の支柱が折れていて、電極が傾斜している。ただしフィラメントは活きている。

底部からの眺め。足は標準UVベースだがピンの先に金チップが付いていない。底面はファイバーか。

トップからの眺め。

 

こちらは初期型のテニスボール型の中でも中期型(上の最初期の後の初期型)のニッケルシルバーベースタイプ。ベースには、管名"101D"と米国特許の登録日が刻印されている。最新の特許登録日は、"10-5-20"(1920年10月5日)とある。管壁には1本毎にロット番号がエッチングされている。当然ながら板極型の電極が納められている。残念ながらガラス棒の支柱が折れていて、電極が傾斜している。ただしフィラメントは活きている。

ベースの刻印部分の拡大写真。"PROPERTY OF AMERICAN TEL & TEL COMPANY"とある。

底部からの眺め。足は標準UVベースでピンの先に金チップが付いている。底面はワックス。

トップからの眺め。

 

 

こちらは後期のSTタイプ。ST14型のバルブに分厚く大きな黒化プレートが入っている。ステムの上部が平らなのと、ステムから立ち上がったピラーが電極を直接支えているのはWE独特の構造。足は標準UVベースでピンの先に金チップも付いている。

フィラメントはWE独特の3本吊り。サイドマイカも3個でトップマイカも独特のおむすび型。

 

 

WE101F

初期型のテニスボールタイプの中でもベークライトベースの後期型。通称ハーフグリーンと呼ばれ、頭頂部に緑のペイントが塗ってあり、電流半減をアピールしている。管名と特許日が管壁にエッチングされている。プレートはリブ付きのニッケルプレート。プレートの形とプレート支柱が板極型から進化した通常の形になった。但し、フィラメント吊りは縦型のガラスビード。フィラメントは2点吊り。

 

 

こちらは後期のSTタイプ。構造はWE101Dと全く同様でフィラメントが細い以外見分けがつかない。

 

 

NEC 101F

初期型のテニスボールタイプの中でもベークライトベースの後期型。ベースには、"101F"、"日本電氣"及び"菱形の中にNECのマーク"が刻印されている。戦前戦中製と思われる。上のWEと電極形状などはそっくりだが、電極支持方法が異なる。

底部からの眺め。足は標準UVベースでピンの先にチップが付いている(金ではない様だ。)。底面には"菱形の中にNECのマーク"が浮き出し模様で設けられている。

トップからの眺め。

 

 

初期型のテニスボールタイプの中でもベークライトベースの後期型。ベースが刻印ではなくなった。管壁に、"101F"及び"菱形の中にNECのマーク"がエッチングされている。戦後製と思われる。電極形状及び電極支持方法は上の球と全く同様。

底部からの眺め。足は標準UVベースでピンの先にチップが付いている(金が若干含まれている様だ。)。底面には"菱形の中にNECのマーク"が浮き出し模様で設けられている。

トップからの眺め。

 

 

こちらは国産後期のSTタイプ。ST14型のバルブ形状はNEC独特の趣がある。中央部のポッチやリブも含めてプレートの形状と材質のみがオリジナルと変らず全く同じところが面白い。"1954-4"とプリントされている。別に"○にト"ともプリントされている。ガラスとベークベースとの間に緑色の防湿コーティング処理が施されている。

2枚のサイドマイカを設けた丁寧な造り。流石に通信用は違う。フィラメントはWEと異なり普通の2本吊り。

 

 

(2010/03/28)

(2026/01/25)

 

 

            規格表 アメリカ製オーディオ球  01ナンバー トップシールチューブ WE 総目録 真空管トップ トップ