RE83 検波増幅用直熱3極管

 

RE83は、1924年にドイツのTelefunkenがラヂオ用に開発した真空管である。丁度米国でいえば、UV-199(やUV-201)の様な使われ方をしたのだろう。

田口達也氏の「ヴィンテージラヂオ物語」p.22〜25によれば、Telefunken"テレフンコン 3型"の指定球だったことが分かる。当時、Telefunken製の様々なラヂオに使われていたことだろう。

また、浅野勇氏の「(正)魅惑の真空管アンプ」には、電池式時代にドイツから乾電池用の初めての経済球として、1.5V用のFuth,Ultra,Telefunkenなどのタマが輸入されたこともありましたが、同じ4本足でも米国製のUVやUXソケットに合致せず、これが原因で普及することなく終わった・・・」(p.163)との記載があるが、まさにこの球が電池式時代にドイツから輸入された球の内の1本かと思うと感慨深いものがある。

何れにしても100年前(我が国でいえば、大正時代!)の球が帯封したままの未使用元箱入りの状態で残っているのは天晴れ。

 

Telefunken RE83

元箱3方向から。フィラメント電圧2.5V、フィラメント電流0.2A、プレート電圧40〜100Vとある。

トップシールでメタルベース。管壁にメーカー名と管名がエッチングされている。メタルベースに紙ラベルが巻いてある。内部はゲッターで全く見えないがプラチナステムと思われる。フィラメントは、大塚本ではオキサイドコーティッドとのことであるが、トリタンと思われる。

底面はベークライト。足ピンは全て同径の真鍮製で位置決め突起付の4ピン型(BOBaなどが5ピン型)。ちなみに、突起のところのピンがアノード(プレート)となる。

上部からの眺め。

 

 

(2024/05/26)

(2024/12/29)

 

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