KX-142 高圧半波整流用直熱2極管
KX-142は、米国の2X2に類似した球として、ブラウン管などの高圧整流用の整流管として開発されました。最大連続直流電流が7.5mAで、管内電圧降下が100Vであり、最大許容プレート損失が7Wとのことです。
マツダ(東京電気) KX-142
戦中の球。管壁には"東京電気"と管名、反対側にはプロペラロゴ(サイクルマーク)がある。
上部からの眺め。内部は良く見えない。
こちらは戦後の球。なで肩ガラスにカーボンスート。
上部からの眺め。プレートからの支柱をトップキャップへの途中で十字型のマイカで保持している。
別の球。こちらも戦後のなで肩ガラスにカーボンスート。管壁に"NHK 28"とスタンプされている。NHKに昭和28(1953)年に納入されたものか。
上部からの眺めも同様。
住友眞空管 DC-762-A(=KX-142)
元箱。住友真空管は、戦時中のNEC。
戦時中の球。昭和19(1944)年6月製造のラベルが貼付されている。
上部からの眺め。
下部からの眺め。凹凸状に襞折りされたフィラメントが見える。
使用に伴い内部が着色している。管壁には、"住友眞空管"と"DC-762-A"とプリントされており、反対側には、大日本帝国海軍の錨マークがプリントされている。紙ラベルも貼付されており、〇にイと菱形の中にNECともスタンプされている。電探で使用されていたものであろうか。
上部からの眺め。
下部からの眺め。凹凸状に襞折りされたフィラメントが見える。
NEC KX-142
こちらは戦後の球。使用に伴い内部が着色している。フィラメントは水平に張られている。管壁には、"Nippon Electronics"、菱形内にNEC、KX-142とプリントされており、反対側に、八角で囲んで"NHK 29"と、その下に1953-4とプリントされている。NHKで昭和29年(度)用に納入されたのだろうか。
上部からの眺めは全く同じ。
下部からの眺めも全く同じ。
元箱。
基本的な構造は上と同じだが、フィラメントの張りが水平ではなく、上に凸型となっている。
上部からの眺めは全く同じ。
こちらも戦後の球。内部は良く見えない。
上部からの眺めは全く同じ。
下部からの眺めも全く同じ。
理研 KX-142
戦時中の球。管壁には、"理研眞空"とトレードマークと管名、反対側には見づらいが昭和19(1944)年6月と製造年月がスタンプされている。
上部からの眺め。
下部からの眺め。フィラメントの形が微妙に異なる。
(2020/04/26)
(2023/06/25)