Ba 電圧増幅用直熱3極管

 

Baは、BFBOから続く、電信電話用の改良版としてSiemens&Halskeで開発された。外形から内部の電極構造まで、見るだけでなく、音の違いのバリエーションも楽しめて好きな球の1つ。

 

型 名 Ef/V If/A Ep/V Eg/V Ip/mA Gm/μS μ Ri/kΩ
BO 1.8 1.1 220 -6 3 500 14 25
Ba 3.5 0.5 220 -6 3 600 15 25

 

Siemens&Halske Ba

初期のトップシール球。Caと同じ様な造りで小型版。5ピンのメタルベースに精巧な造りの球が付いている。ステムはジュメット線で、トップがフラットでプレートとグリッドのピラーの立ち上がり部はガラスを盛り上げて補強している。ベースには赤い紙のリボンが巻いてあるが、残念なことに、オリジナルではなく後で誰かが適当に造ったものと思われる。ベース下部に足ピンの方向(位置)を規制するための出っ張りが見える。足ピンは真鍮の様。管壁に1本毎にロット番号が打たれている。

 

SIF PTT2

仏国SIFPTT2で、管壁にもプリントされているが、どう見ても上のSiemens Baと同じ。赤い紙リボンも上と同じ。こんな昔でもOEMが行われていた様。

 

Siemens&Halske Ba

こちらは、トップシールで無くなり、銀色のスプレーシールドになった。ベースはメタルのまま。赤色ラベルはオリジナル。管壁に、Siemens&HalskeのマークとSiemensBaとのエッチングマークが見える。"Post"の赤いプリント。管壁に1本毎にロット番号が打たれている。

 

こちらもスプレーシールド。ベースは黒色ベークライトになった。足ピンはニッケルメッキ?Siemens&HalskeのマークとSiemensのマークが付いた紙のリボンが巻いてある。

トップマイカが見える。2本吊りでM字形フィラメント。プレートは大型の通常の形。上部がフランジに折り返されている。

 

元箱。

ベースは茶色のベークライト。紙が巻いてある。足ピンは真鍮の様。プレートは恐ろしく幅広矩形のニッケル。

トップにSiemensBaのマーク。トップにはセラミックサポート。フィラメントは3本吊りの酸化物塗布形。ガラスも分厚い感じ。

元箱。

ベースは底面セラミックのアルミ。黄色の紙が巻いてある。足ピンとプレートは上のものと同様。トップマイカとマイカサポートの構造が上と異なる。

トップにSiemensBaのマーク。フィラメントは上と同様。ガラスが綺麗。

Baを並べてみた。同じSiemensでもだいぶ印象が違う。他社でも製造されたのだろうが所持していない。

 

 

 

(2010/01/30)

(2013/12/22)

(2024/03/31)

 

            規格表 ヨーロッパ製オーディオ球 トップシールチューブ 総目録 真空管トップ トップ