6V6系 電力増幅用傍熱ビーム4極管
6V6は、1936年7月RCAから世界初の電力増幅用ビーム4極管として登場した6L6に続き、翌年の1937年末頃、その弟分として、もっと小さいパワーで手軽に使用したい用途に向けて開発されました。最初はメタル管でしたが、ST14型の6V6Gが登場して、その後6V6GTとなって、シングルでラジオや通信機の終段に使用されたり、プッシュプルで小型アンプや小型PA用などに広く用いられました。家庭用を含めて民生用はもとより、軍用にも5992等様々なバリエーションを持ちながら、沢山の品種が造られました。ロクタル管では7C5が相当します。また、mTになって6AQ5に引き継がれて行きます。ヒーター電力は6L6の半分にも拘らず、シングルで4.5W、3結でも1.1Wの出力が得られ、効率が良いのと使いやすいので、自作アンプの終段や大型管のドライバー段にもってこいで、当方の好きな球の1つです。足はUSオクタルの8ピンベースです。なお、WE系ではWE349Aが特性が近いです。
マツダ PH1
マツダが、Hシリーズの内の1本として、戦時中に旧日本軍の電波兵器用に製造した球です。規格は、6V6GTのヒーターを12V(12.6Vではない)0.25Aとしたもので、12V6GTに近い。管壁に管名と19.9(昭和19年9月製造)とスタンプされている。反対側には、サイクルマーク(プロペラロゴ)がある。
トップからの眺め。下の戦後の球と比較して下さい。
マツダ 6V6GT
銀プリント。つまみステム。やはりカーボンスートされていない方が好みです。
東芝 6V6GT
元箱。780円 とある。
楕円プレートなど内部構造は上のマツダと同様。トップマイカがマグネシア塗布となり、ボタンステムとなった。それでゲッターはリングゲッターにより頂部に飛ばされている。
Bendix 5992
元箱。
軍用それも航空機用に開発された球です。そのため、ヒーターも0.45Aから0.6Aに増強して、予熱時間も1分間以上必要です。上部に爪付きマイカを2枚と下部にも爪付きマイカを1枚設けて堅牢に作られています。プレートの形も四角で独特の形となっています。流石に民生用とは異なります。
Bendix Radio 6V6GT
四角いプレート。つまみステム。
RCA 5V6GT
元箱。
またプレートの形が少し異なる。
5V6GTは、6V6GTの4.5V0.6Aバージョンです。
他の球についても、順次追加してゆきます。
(2013/08/18)
(2014/06/29)
(2014/09/28)
(2016/05/21)
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