6B5 電力増幅用傍熱3極管
6B5は、1933年半ばに発表された2B6の後継として、1935年4月に発表されました。ダイナミックカップル用のパワー管ですので、パワー管のグリッドはμを上げるために2組備えていて内部で接続されています(すなわち4極管構造で3結となっている。)。そしてこのグリッドはプラス電圧で駆動されA級で動作します。ドライバー段の3極管も管内に内蔵しています。これら2つの3極管の配置には上下型と並列型とがあります。そして管内に抵抗器(5kΩ)も内蔵して内部で接続されています。足は6本のUZ。米国では、戦前から戦時中にかけて、ラジオセットに広く使われました。「無線と実験」昭和11(1936)年10月号にダイナミックカップルの解説記事が載っていて、そこで6B5も紹介されています。ちゃんと並列型と縦型(上下型)と両方出ています。ポジティブグリッドダイナミックカップルドパワートライオードとして浅野勇さんの好きな球の1つでした。現在では、オーディオアンプ用に愛好者がいます。この球のベースをUSオクタルとしたものが6N6Gとなります。
Raytheon 6B5
刻印4ピラー。プレートはリブなしの丸型。4極管構造。管内でG1とG2とが放熱フィンで接続されている。トップマイカが角型でサイドマイカなし。上下マイカにマグネシア塗布。ドライバー用の3極管は、下部に設置されている。すなわち上下型。
パワー部の3極管の下部にドライバー用の3極管が見える。
刻印4ピラー。上の球より、やや後期型と思われる。リブ付き楕円プレートとなる。
Silvertone 6B5
刻印ベース。ラベルも見える。内部構造は上下型。
マイカの形状など内部の構造は上のRaytheonと似ている。
National Union 6B5
刻印ベース。内部はカーボンスートされていて見えない。
上から見ても全く見えない。
GE 6B5
銀プリントベース。内部はカーボンスートされていて見えない。
上の球と同様に上から見ても全く見えない。
RCA 6B5
赤プリントベース。内部はカーボンスートされていて見えない。
上の球と同様に上から見ても全く見えない。
Sylvania 6B5
緑プリントベースでリーフマークも付いている。帯状にカーボンスートされている。
上部からの眺め。グリッドには共に放熱フィンが付いている。パワーユニット(右下側)はやはり4極管構造でグリッドが2組付いていて放熱フィンで接続されている。すなわち並列型。National Union製と思われる。
Ken-Rad 6B5
銀プリントベース。内部の構造が良く見える。左の写真の左側(右の写真では右側、中の写真では陰になって見えない)の小さなプレートがドライバー用で右側(右の写真では左側、中の写真では手前側に大きく見える)の大きなリブ付きプレートが出力用。すなわち並列型。中の写真の下部で丁度ステムの右側及び右の写真のステムの上部の手前側に内装抵抗器が見える。
上部からの眺め。グリッドには共に放熱フィンが付いている。パワーユニット(左側)はやはり4極管構造でグリッドが2組付いていて放熱フィンで接続されている。Sylvania製と思われる。
他の球についても、追加します。
(2008/08/31)
(2012/08/25)
(2016/06/26)
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