250/50 電力増幅用直熱3極管

 250は、電蓄などの電力増幅用として開発されました。WE系や845などを除いて、米国系で最大の受信管で、家庭用、劇場用、PA用などに広く用いられました。Ep450Vmax、出力4.6Wのパワー、それと外形S21型の迫力に圧倒されます。後に50となりました。前後してST19型となりましたが、一部のメーカーからST16型タイプ(いわゆるミニ50)が製造されました。音は、ナスでもSTでも気に入っています。オランダPhilipsでも相当管として、F704が作られました。バリエーションが豊富で楽しめますが、価格が高いのが難点です。

 

RCA UX-250

1928年10月製。

丸形プレートのガラスビード支持。

 

 

Cunningham CX-350

1928年9月製。

こちらも丸形プレートのガラスビード支持。

 

 

Raytheon RayX250

ボロボロですが、元箱です。

プレートは驚くことにWE205Dの様な板極です。そしてもっと驚くことには、プラチナステムで、4ピラーになる前の普通のステムです。極く初期の頃の製造と思われます。刻印もキレイです。

 

 

Raytheon 50

ナスでも50と刻印されている。リブ付きボックスプレート。STに切り替わる直前の最後期型と思われる。上下のセラミックサポートと大型の4ピラーステムが気に入っている。

 

 

Majestic G-50

フィン付きの独特のプレート形状。

 

 

Perryman PA-250

元箱。

同封されていたインストラクションシート。下側(右側の写真)には、特許となったPerryman Bridgeの説明がなされている。

250のメッシュプレートタイプ。刻印ベース。Perryman得意のセラミックサポート。

上からの眺め。コイルスプリングもPerryman得意のコニカル型。

 

別の球。構造は全く同じ。

上部からの眺めも全く同じ。

 

これも別の球。構造は全く同じ。

上部からの眺めも全く同じ。

 

 

Perryman? 585-P-483 (PA-250)

ベースにはハッキリとしたメーカー名や型番が無く、585-P-483と刻印されている。Perryman製の250のメッシュプレートタイプで上の後期型と推測している。

トップサポートがセラミックからマイカになった。コイルスプリングもそのままのコニカル型。

 

 

銀プリントタイプ。普通の板プレートと普通のマイカサポートになった。

 

 

Cardon C-585

250のメッシュプレートタイプで、下側にもガラスビード支持を設けており、造りは見事です。角張ったメッシュプレートと相俟ってお気に入りの1本。

 

 

こちらは、普通の造りで、後期型と思われる。

 

 

Sparton C-586

ゲッター部分にラベルを貼っているのが気に入っています。

やや角張ったプレート。当然ながらCardonと同様に下側にもガラスビード支持を設けており、造りは見事です。

 

 

unknown X-250

これも250のメッシュプレートタイプ。

 

 

unknown X-250

こちらは、ガラスビード支持。

 

 

unknown X-250

こちらは、マイカサポート。

 

 

unknown X-250

こちらは、角形プレートのガラスビード支持。

 

 

マツダ UX-250

刻印両丸(三つ巴)タイプ。丸形プレートのガラスビード支持。

 

 

元箱。

中に入っていたデータシート。

刻印両丸(三つ巴)タイプのまま、角形プレートとなった。角形プレートの最初期型。昭和11年8月のラベルが貼付されている。

底部には、丸(周辺部を丸に見立てた三つ巴)にマツダの浮き出しマークとなり、ピン識別もGが1、Pが2の左回り(すなわち上置きソケットでは右回り)の数字となった。

トップからの眺め。

トップマークは丸(三つ巴)にマツダ

 

 

別な球の元箱。

両丸(三つ巴)がなくなった刻印タイプ。角形プレートはそのまま。昭和11年8月のラベルも同じ。

底部の丸(周辺部を丸に見立てた三つ巴)にマツダの浮き出しマークも、ピン識別の数字もそのまま同じ。

トップからの眺めもそのまま同じ。トップマークは消えてしまっている。内部の構造もそのまま同じ。

 

 

こちらは、刻印角形プレートの別の球。

丸(三つ巴)にマツダのトップマークが見える。

 

 

こちらも、角形プレートのガラスビード支持の別の球。

底面は、マツダの浮き出しが無くなり、フィラメントを示す矢印のみとなった。そして、ベースの底に丸にTの朱印は、昭和12(1937)年以降に北支事件特別税(物品税、第2種乙類当初は10%の税率)が課せられた証し。

丸(三つ巴)にマツダのトップマークが見える。

ガラスビードから延びたグリッド支柱支持用のワイヤーがグリッド支柱と溶接されておらず、リング状となっていて、リングの中にグリッド支柱を通しているのは、当初からの構造で、元々のRCACunninghamの構造をそのまま踏襲しているもの。

 

 

エレバム UX-250

刻印ベース。丸形プレートのガラスビード支持。プレートの指示固定構造が独特。プレート支持の支柱は、片側2本まとめてステムから立ち上がったガラス支柱により各々支持されている。そして、プレートの電極引き出し線は、別にステムの横から取り出されている。

トップマーク。グリッド支柱は普通に溶接されている。

 

 

 

以下は、ST50を紹介します。

 

 

RCA/Cunningham 50

RCAにおいてST19型となった最初期のタイプですが、製造時期の刻印の違いによって2つのタイプがあります。

 

[初期型]

管名は、ガラス側面に表記されている。ゲッター台は四角板型で、ゲッターは側面に飛ばされている。刻印タイプの黒化プレートが好きです。

RCA/Cunninghamの初期型の刻印。○にRCAのマークとともにCunninghamRadiotronの刻印が押されている。Cunninghamのマークが筆記体の様。

トップからの眺め。このボリューム感がたまらない。マグネシア塗布の円形トップマイカにサイドマイカが設けられている。

 

 

[後期型]

刻印マーク以外は初期型と同様の造り。

RCA/Cunninghamの後期型の刻印。○にRCAのマークとともにCUNNINGHAMRADIOTRONの刻印が押され、他にMADE IN U.S.A等の刻印も押される様になった。全て大文字となり活字体の様。

トップからの眺めも初期型と同様。

 

 

RCA/Cunningham 50 (CRC 38050)

刻印マーク以外は後期型と同様の造り。

刻印マークも後期型の反対側の面にU.S.NAVY CRC 38050と刻印されている。

トップからの眺めも当然ながら同様。

 

 

RCA 50

RCA/CunninghamからRCAとなった直後の球。刻印マーク以外は同様の造り。

RCA/Cunninghamの後期型の刻印。○にRCAのマークとともにRadiotronの刻印が押され、他にMADE IN U.S.A等の刻印も押されている。Cunninghamが消えて、Radiotronが初期型表記に戻って上に移動した様。

トップからの眺めもRCA/Cunninghamと同様。

 

 

こちらは、ベースが刻印から銀プリントとなった後の球。ベースの刻印とプレートの材質(黒化仕上げ)が異なる以外は同様の造り。

トップからの眺めも刻印タイプと同様。サイドマイカがあるので、銀プリントでも初期型となる。後期型になるとサイドマイカに代えて針金型の押さえになる。

 

 

Raytheon 50

刻印タイプ。

 

 

こちらは、オレンジプリントタイプ。

 

 

Philips F704

正真正銘のF704です。ヨーロッパ管の特徴が随所に現れています。足は、UF

 

 

Philips 50

銀プリント。

欧州タイプを期待して購入しましたが、普通の米国製でした。

 

 

Sylvania 50

こちらは、ST16型のミニ50。セラミックサポート。

 

 

 

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