224/224A/24A/UY-24B 検波増幅用傍熱4極管
224は、ラジオ用の検波管あるいは高周波増幅管として開発されました。それまで3極管しか使う術の無かった処に4極管の登場は将に救世主の様な感じを与えたことでしょう。ナス型のまま、クイックスタート型に改良され、224Aとなりました。後に24Aとなり、ST14型になります。
我が国でも、UY-24Bとして、検波や高周波増幅に広く使われて、ポピュラーな球でした。電気的な規格は同じですが、外形は、米国型のST14型と異なって、例によって、ST12型と細身です。戦後、補修用に、UZ-57をUYベースに収めたUY-57Sが作られました。こちらは当然ながら規格が異なります。
RCA UY-224
元箱。
Raytheon ER224
一番外側の電極は、ごっつい感じのメッシュスクリーンシールド。スクリーングリッドに接続されて、丹念にプレートをシールドしている。刻印4ピラー。
電極保持は中心部のセラミックで。
見えづらいが、スクリーンシールド下部も、上部と同様にシールドされている。丁寧な造り。
Raytheon ER224A
セラミックによる電極保持。
見えづらいが、スクリーンシールド下部は、そのまま素通しで空いている。この様な簡略化構造が、224Aへの変更と期を一にしてなされたのかどうかは不明です。
マツダ UY-224
元箱。
同封されていたデータシート。
刻印両丸ベース。管壁に〇にマツダのマーク。検のラベルも貼付。
ベース底面には、〇にマツダの浮き彫り模様。
トップからの眺め。スクリーングリッドと外部のメッシュシールドとが接続されている。
こちらは別の球だが、刻印両丸ベースを始め造りは同じ。
内部の構造。一番外側の金網はスクリーンシールド電極で、その内部にはプレート電極があり、さらにその内側にはコントロールグリッドとスクリーングリッドが2重に捲かれている。
ベース底面も同じ。
トップからの眺めも同じ。
以下は、ST型を紹介します。
Raytheon 24A
ボロボロですが元箱です。
基本的には、ナスからそのままSTになった様です。
初期型。メッシュスクリーンシールド。刻印4ピラー。
電極保持はセラミック。トップマイカは4方に爪付き円輪形(私は勝手に「亀型」と呼んでいる。)。
こちらは後期型。見えづらいが、スモールパンチスクリーンシールド。円筒形が短くなった印象。刻印4ピラー。
トップマイカは、上と同じ形。
CeCo M24A
帯封に、"Metal Shielded"と印刷されている。
こちらは珍しいMG管。Gold SealのOEM品。アルミ製のシールドケースに黒色塗料が塗ってある。プリントは、"CECO"と"24A"となっている。
ここで、24AとUY-24Bと36との大きさ比較をしてみます。全て同じスモールパンチタイプを並べて見ました。
左から、Raytheon 24A マツダ UY-24B Raytehon 36 です。
国産UY-24Bの開発に際しては、24Aだけでなく、同じST12型の36も併せてお手本にしたのではと勝手に想像していましたが、改めて実物を並べて比較すると、UY-24Bのスクリーンシールド円筒の外形が、その直径は24Aと36との丁度中間で、その長さは24Aより長いという微妙な大きさです。36をどの程度参考にしたのかは不明です。分解して中の電極まで比較すれば、もっと詳しく比べられるのでしょうが、またの機会にいたします。
マツダ UY-24B
当時、この様な4本組の物も売られていた様だ。"PP-4"と赤字でプリントされている。中身は、UY-24Bが4本入っている。
赤刻印タイプ。
電極保持がセラミック。旧型と推測している。
刻印タイプ。反対側に、丸マツダと放マークがプリントされている。
電極保持がセラミック。
ベース底面に、マツダの浮き彫りがある。
刻印タイプ。反対側に、丸マツダと放マークがプリントされている。
電極保持は、マイカ。新型と推測している。電極保持材以外に違いは見あたらない。
ドン UY-24B
放マークとDONのラベル。
電極保持は見えづらいが、マイカの様だ。グリッド引き出し線はターンしている。
エレバム UY-24B
刻印ベース。管壁に管名。下に「KIT」と白プリントされており、〇にエレバムとMSEのマークもプリントされている。
電極保持は見えづらいが、セラミックの様だ。グリッド引き出し線はターンしている。
Amertron UY-24B
刻印ベース。管壁に管名。
電極保持はマイカの様だ。グリッド引き出し線は水平方向にターンしている。
管壁に管名。「NO.3.3.9」と白色でプリントされている。足は真鍮ピン。
残りの球も見つけ次第追加します。
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(2021/09/26)
(2021/10/31)
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