UX-109 検波増幅用直熱3極管

 

 UX-109は、日本独自球で、それまで米国系一辺倒だったのに対して、省電力タイプの真空管を目的として、元々はドイツが開発した昇華型陰極に着目し、水平型プレートも併せて、オランダのPhilips(フィリップス)A109を真似して売り出されました。電池式タイプでAC電灯線が引かれていない地域や非常時などのラジオ受信機用として売り出された様です。その後、東京電気とフィリップス間で大きな特許紛争に発展することになった因縁の球です。

 なお、紛らわしいですが、サフィックスの付いた、UX-109A/UF-109Aとは規格が異なりますので注意が必要です。

型 名 Ef/V If/A Ep/V Eg/V Ip/mA Gm/μS μ Rk/Ω Ri/kΩ RL/kΩ Pp/W Po/W ベース 備 考
UX-109 1.1-1.3 0.07-0.08 45 0 1.75               UX  
      90 -4.5 2 530 8.5   16          
UX/UF-109A 1.1 0.06 135 -4.5 5.9 770 8.5   11       UX/UF  
A109 1.3 0.06 150 -9 2 450 9   20       UF4/UX  

マツダ UX-109

 元箱。

ベースは刻印タイプ。水平プレートが見える。ゲッターは昇華型陰極由来によりプレート開口部の両側に飛ばされている。

 トップにはマツダのマーク。水平型プレートが上からも良く見える。

 

(2016/10/30)

(2022/11/27)

 

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