UF-109A　検波増幅用直熱3極管（日本独自球）

UF-109Aは、UX-109Aのベースを、軍用無線機用として移動時等の振動に際して脱落を防止するために、UXからUFベース（バナナプラグ）とした球で、昭和9（1934)年頃（と思われる）に東京電気（マツダ）により開発された。

当然ながら、電気的な特性は、UX-109Aと全く同じとなっている。

マツダ UF-109A

元箱。この頃は立派な箱に入れられていた。専用箱の上面と底面。"線条電圧1.1ヴォルト"とある。

刻印ベース。管壁に八角形の中に管名のプリント。ラベルには、星のマークとロットナンバーと昭和16年10月製造のスタンプが捺されている。角形のリブ付きプレートが良く見える。

トップからの眺め。フィラメントは直線の1本で、フィラメントをトップマイカの穴に引っ掛けて位置決めと張力付与をしている。この頃はまだ造りが良い。

ベース底部。特にマークは無し。バナナプラグが良く見える。プレートピンの根元には赤い印が付けてある。

刻印でないベース。管壁に八角形の中に管名と19-2（昭和19年2月製）のプリント。反対側に〇にマツダのマーク。

トップからの眺め。少し緑色のガラスとなっている。

ベース底部も同じ。

こちらは別の球。刻印でないベース。管壁に八角形の中に管名がプリントされており、その下にロット番号をスタンプしたラベルが貼付されている。反対側に〇にマツダのマーク。緑色ガラス。

こちらも別の球。刻印でないベース。管壁に八角形の中に管名と19-6（昭和19年6月製）のプリント。緑色ガラス。寸法が異なるせいか電極をトップの絞り部分に充分に押し込めない状態で組み立てられている。

トップからの眺めも同様。

元箱かどうか不明。

こちらも別の球。刻印でないベース。管壁に八角形の中に管名がスタンプされている。薄くて分かりづらいが反対側に〇にマツダのマーク。少し緑色ガラス。そしてサイドマイカがかなり着色している。サイドだから低品質のマイカを使ったのか、あるいは再生品を使ったのだろうか。

トップからの眺めも同様。

ベース底部も同じ。

こちらも別の球。刻印でないベース。管壁に八角形の中に管名と20-2（昭和20年2月製）のプリント。反対側に〇にマツダのマークに代えて、プロペラロゴ（サイクルマーク）。緑色ガラスではないが、サイドマイカが着色している。

トップからの眺めも同様。

ベース底部も同じ。プレートピンの根元には赤い印が無い。最初からか途中で消えてしまったのかは不明。

こちらも別の球。上の球とそっくり。刻印でないベース。管壁に八角形の中に管名と薄く20-2（昭和20年2月製）のプリント。反対側に薄くプロペラロゴ（サイクルマーク）。緑色ガラスではないが、サイドマイカが着色している。

トップからの眺めも同様。

ベース底部も同じ。

理研 UF-109A

刻印でないベース。管壁に管名とラベル貼付（昭和18年製。）。管壁とベースとの間には赤色の防湿塗料が塗ってある。

トップからの眺め。〇に理のトップマーク。

ベース底部。PGFFの浮き出しマークのみ。プレートピンの根元には赤い印が付けてある。

刻印でないベース。管壁に管名とラベル貼付。管壁とベースとの間には赤色の防湿塗料が塗ってある。こちらの球はニッケルプレートがきれいに見える。

トップからの眺め。〇に理のトップマーク。全く同じ構造。

ベース底部。中央に〇に理の浮き出しマークのみ。プレートピンの根元には赤い印が付けてある。

(2019/08/25)

(2020/03/29)

(2023/02/26)

　　　　　　　　　　　　規格表　国産軍用真空管　09ナンバー　総目録　真空管トップ　トップ