RV12P4000 高周波増幅用傍熱5極管
RV12P4000は、第二次世界大戦中にドイツの軍用無線機などに用いられました。戦時中に我が国で開発された万能管FM2A05Aは、ドイツのNF2を参考にしたとされていますが、その外形として外側のアルミシールドケースのデザインは、本管に範を採ったものと思われます。この球は、ソケットを含めてのシールドは完璧ですが、足ピンが独特で専用ソケットが必要な処がネックです。
同じデザイン(但し、外径は細い)で電池用の球に、RV2P800があります。
RV12P4000とRV2P800との大きさ比較。
太い方がRV12P4000で細い方がRV2P800。
Telefunken RV12P4000
管名及び1本毎にロット番号がアルミのシールドケースの壁面に黒色でプリントされている。36/43(43年36週)製。国防軍用。右の写真ではハーケンクロイツマークも見える。
足ピンというか電極からの端子は、エーコン管の様に底部近くの側面から放射状に突起で出ている。底部は引き出しノブとなっているが、取り外しはできずに固定されている。電極部は茶色のベークライトでノブ部は黒色ベークライト。両者の固定爪は鉄製。トップ部分は黒色ベークライト絶縁物の中心からコントロールグリッドが接続されたピンが突出している。
ボトムからの眺め。引き出しノブ。球をソケットから引き出す時には、このつまみを手で掴んで引っ張る。底に深緑色のTelefunkenのマークの付いた印章が埋め込まれている。
RV12P4000用のソケット。アルミケース型でしっかりと造られている。
底面からトップ側を見る。
やや上面からの眺め。トップの絶縁はセラミックを使用している。
ソケットに球を差し込んだ状態。きっちりと嵌まる。実機に組み込んだ状態ではノブ部分のみが飛び出し、本体は機器内部に収まる様に設計されている。
TEKADE RV12P4000
大分薄くなってるが同様に黒色のプリントが見える。
造りは上と同じ様。電極部もノブ部も同じこげ茶色のベークライト。両者の固定爪は真鍮製。
ボトムからの眺め。底に深緑色のTEKADEのマークの付いた印章が埋め込まれている。
Valvo RV12P4000
同様に黒色のプリントが見える。底部のベークライトが茶色。
造りは上と同じ様。電極部もノブ部も同じ赤茶色のベークライト。両者の固定爪は真鍮製。トップの絶縁はセラミック製。
ボトムからの眺め。底に深緑色のValvoのマークの付いた印章が埋め込まれている。
(2015/03/22)
(2015/08/30)
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