RK-20 RK-20A 送信用直熱5極管

 

RK-20は、RCA804に似た定格の球です。プレート損失は40W。初期型はタイトベースで後にマイカノールベースとなります。RK-20Aとなって、フィラメント電流が3.25Aに増強されました。

ノッポの独特の形状と共に、煌々と輝くトリタンフィラメントに惹かれます。問題は、巨大なプレートキャップで、上部のガラス熔着部の保護と放熱も兼ねていると推測していますが、誤って接触したら大変なので、使用に際しては、球の全面を保護するガードケージを設けてやる必要があると思います。低圧で試聴しただけですが、どうもフィラメントとプレートが離れている(内部抵抗が大きい)球に共通の軽い音がします。

 

 勢揃い。左から、Raytheon RK-20 RCA 804 旧型 同じく 新型。RK-20と旧型804とでは高さが揃っているが、プレートの位置がかなり異なる。804の新型となると高さがかなり低くなった。

 上からの眺め。

 

今現在のところ、3つのタイプを所持しています。以下、古いと思われる順に紹介します。なお、下部ステムは、全て大型4ピラーステムです。

 

Raytheon RK-20

 

とりあえず「初期型」と呼んでおきます。

上部ステムは、下部ステムと同様4ピラー構造。プレートはフランジの無い箱形構造で、上部から延びた4本のピラーで2方向(両側)を2本ずつプレートと溶接して固定。さらに、先端にタイトチップを設けた片持ちバネをプレートに溶接して、タイトチップをガラス壁面と圧接させて、プレートの動揺を防いでいる。

 

とりあえず「中期型」と呼んでおきます。

上部ステムが、4ピラーでなく通常ステムになり、250の様にビスナットでバンドを巻き付けることによって、プレートを固定している。プレート固定がしっかりしたため、4本のタイトチップ固定バネは廃止された。この構造変更の理由は、恐らく、振動などにより上部4ピラーステムにストレスが掛かることによってクラックなどの事故が起きたのではないかと推測している。

 

とりあえず「後期型」と呼んでおきます。

上部ステムは、上と同様の構造であるが、プレートの固定ピラーが2方向(両側)に2本ずつではなく、四面を各1本で固定する様に、ほぼ各方向均等に付けられた。そして、その固定ピラーの先端は、カシめて形成されたフランジ部に溶接されている。「中期型」の欠点だった方向による耐震性の差を解消すると共に、プレートにフランジを設けることにより、プレート損失の向上にメリットがあったものと推測している。

スクリーングリッドの各支柱から延びた4本のピラーがタイトスペーサーから突出していて、そのピラーに、上部から同型のタイトスペーサーを供えたプレート部材を、タイトスペーサーをガイドとして、挿入することにより、プレートを位置決めしている。この造りは3つ共共通。なお、プレートの材質は何れもモリブデン(Mo)。

 

Raytheon RK-20A

初期型はタイトベースだった様だが、こちらはマイカノールベースの後期型。上のRK-20と比較すると、外形やプレートの形状は同様だが、フィラメント電流だけでなく、セラミックサポートの形状が異なり、G3の上部シールドがメッシュから板状となった。

トップのセラミックサポートが大型1枚となり、フィラメント、G3と併せてプレートも固定する様になった。

 

(2007/12/30)

(2008/12/27)

(2013/01/20)

(2013/09/29)

 

  規格表 アメリカ製オーディオ球 20ナンバー RKシリーズ 4ピラーチューブ 総目録 真空管トップ トップ