Magnavox Type A

 

 スピーカーで有名な米国Magnavox社は、1924年頃にはニュートロダインラジオとそれに使う真空管を製造していました。Type Aと称される球がそれで、RCA系のUV-201Aに相当しますが、特許を回避する目的で、グリッドを使わないグリッドレストライオードとして有名な球です。製造コストの高さとフィラメントの接触事故の多さにより、発表後1年ほどで製造中止となったそうですが、色々なタイプが存在しており、もっと製造時期は長かったのではとも思います(未確認)。後期には、通常のグリッド構造となって同じ名称で製造された様です。

 以下、古いと思われる順に紹介します。

 何と、元箱は木箱で桝の様にホゾを組んでいる。この中に綿でくるまれている。高級ワイン並みですね。

 メタルベースに刻印。トップチップにラベル。ガラス外囲器が独特の形状をしている。

 中のプレートの下からグリッドに替わる鋸歯電極が見える。

 ベース底面。ベークライト板が使われている。足はUV。引き出し線は半田付け。

 

 こちらも上と同様に木箱でホゾを組んでいるが、書体が若干異なる。

 黒メタルベースとなり、刻印も上部に小さくなった。外囲器形状、トップチップと内部の電極構造は同様。ラベルのデザインが変わった。

 ベース底面。同様にベークライト板が使われている。足はUVだが、引き出し線は足をプレスしてカシメている。

 

 やっと普通の紙箱となった。厚手の紙を使ってしっかりと作られている。なおこの箱の本当の価値は反対側にある。

 外囲器形状、トップチップにラベルは同じまま、メタルベースが茶色ベークライトベースとなる。中のプレートの下からグリッドに替わる鋸歯電極が見える。

 トップから内部の電極を眺める。

 ベース底面からの眺め。底面に段差があり、ラッパからライオンが顔を出している同社のマークが浮き彫りで成形されている。足はUV。引き出し線は上と同様に足をプレスしてカシメている。

 

 後期型と思われる元箱。古代ギリシア風の絵が描かれている。

 包み紙に印刷されていた注意書きや規格。

 球の構造は、トップチップが無くなった。ベークライトベースのバヨネットピンが削り取られている。ラベルはない。内部構造は、プレート下部から見る限りでは、鋸歯電極は見えない。通常(?)のグリッドになった様に思われる。

 ベース底面からの眺め。上のトップチップタイプと同じ構造。

 

 他にも見つけ次第追加します。

 

(2011/01/23)

 

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