5Z4 両波整流用傍熱双2極管

 5Z4は、電気的には80の傍熱型の様な規格で、軍用の通信機やラジオなどの整流管として開発されました。最初はメタル管でオリジナルナインのラインナップで発表されて、独特のキャトキン管構造でしたが、その後通常のメタル管タイプとなりました。メタル管タイプも後期型は長さが短くなります。後に、ガラス管タイプで5Z4G、GT管対応で5Z4GTとなりました。興味深いのは、最初に登場したパンチングメタル管を真似て、特許あるいは設備の点でメタル管を製造できない他の数社がMGタイプの球を同じ形状のパンチングメタルを被せて5Z4MGとして製造販売していましたが、これも本家のRCA/Cunninghamが通常タイプのメタル管を製造するに伴い消滅することとなりました。同じ電気規格で様々な形状の球が存在しており差し替えて楽しめます。

 

RCA/Cunningham 5Z4

オリジナルナインの刻印タイプ。

感電防止の為、背の高いパンチングメタルで覆われている。見えにくいが、パンチングの穴を通して、向こう側が透けて見える。中にペンシルチューブと呼ばれるストローの様な管が入っていて、上下を封じた状態で2本入れられている。これがプレートで、この球だけキャトキン管構造となっている。このタイプは、製造時期が短く、直ぐに通常タイプのメタル管構造に移行したため、比較的珍しい。使用中にプレートの中に空気が入ったりしてダメになった球が多かったと思われ、活きているのはさらに珍しい。

 

RCA 5Z4

こちらは、通常のメタル管となった時期の元箱。

 

KEN-RAD 5Z4MG

銀プリント。

外形は、オリジナルの5Z4と全く同じパンチングメタル。中にチューブラー型のガラス管が収納されている。寿命はこちらの方が長かったと思われる。

 

Crosley 5Z4MG

銀プリント。MADE BY KEN-RADともプリントされている。

外形は、当然ながら、上の5Z4MGと全く同じパンチングメタル。見えにくいが、中にチューブラー型のガラス管が収納されている。

 

(2014/11/30)

(2015/06/27)

 

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