チューブラーオーディオン(Tublar Audion) 検波用直熱3極管
チューブラーオーディオン(Tublar Audion)は、球形オーディオン(Spherical Audion)に対抗して、1916〜1919年頃に、米国西海岸のCunninghamなどが、チューブラー状のまさに試験管の様な容器内に電極を封じ込めて、三極管としたことに由来します。色々な処で製造され、ラベルやプレートの刻印マークが無いと製造者を特定することは困難です。後に本家のde Forestは、球形オーディオン(Spherical Audion)に代えて、チューブラーオーディオン(Tublar Audion)として同じ様な形状の球を世に出します。本来の意味では、チューブラーオーディオン(Tublar Audion)とは、de Forestの製造に依る物だけの名称ですが、一般に、CunninghamのAudioTronなども含め、それらをひっくるめて、チューブラーオーディオン(Tublar Audion)と呼んでいます。この管の形は、Myers tubesにも通じるところがあります。後の時代の8012、8025などの形もチューブラーオーディオン(Tublar Audion)を彷彿とさせるものがあります。
フィラメントはタングステン製でV字型に張られ、その片側ずつ計2本として、最初は一方を使い、他方を予備として使用しました。プレートはアルミの板を丸く筒状に成形し片持ちし、グリッドは銅線を螺旋状に巻いて片持ちしています。弱点であるダブルエンドの引出部には、リードを保護固定するために黒色の樹脂状のものが詰められています。
チューブラーオーディオン(Tublar Audion)勢揃い。以下に左から順に紹介します。
Cunningham? AUDIOTRON?
ステムはプラチナ。
Cunningham AUDIOTRON
管壁にCunningham AUDIOTRONのオリジナルラベルが残っているが、残念ながら半分程はちぎれて無くなっている。管壁には他にも色々とエッチングされている。ステムはプラチナ。フィラメントは残念ながら切れている。
斜め上からの眺め。グリッドとフィラメントが見える。
Cunningham AUDIOTRON
管壁にCunningham AUDIOTRONのオリジナルラベルが完全に残っている。ステムはプラチナではなく比較的後期の製造と思われる。
Cunningham? AUDIOTRON?
こちらもステムはプラチナではなく比較的後期の製造と思われる。但し、上のものよりも古いか。
(2012/01/29)