PCSP用アンプ
前々からYoutubeなどを視聴する際に音質の点で気に入らなかったPC用の外付けSPアンプが故障した機会に、いっその事ということで真空管式で製作してみた。
まず、使用する真空管を決めなければならないが、クイックスタートが必要なので直熱管が前提となり、大出力は必要ないし場所も狭いこともあり、mT7ピンタイプで色々と物色した。
前段は、1R5(T)や1L4(T)も考えたが、EsgがMax67.5Vに制限されるのが気に入らず、昔大人買いした3A5に決定し、終段とはプレートチョーク結合とした。
3A5 アラカルト。
左から、Raytheon オレンジプリント、RCA 白プリント、RCA オレンジプリント、Tung-sol 白プリント。右の2つは民生箱に入っている。
終段は、3A4も考えたが、力感が欲しかったのでこれも昔大人買いした3B4とした。5結と3結、NFB有り無し、色々検討した結果、無帰還の3結とした。
3B4 アラカルト。
左から、Raytheon 黄色プリント、Hytron 白プリント、RCA オレンジプリント、RCA 青プリント。
その結果、前段 3A5(1/2)-終段 3B4(T)と送信管で揃えることができた。出来上がったアンプの外観は以下のとおり。
家人も使用するので安全第一で設計して、丁度A4サイズのアルミシャーシに組み込んだ。簡便のために底板もないし、塗装もしていない。シャーシ内の写真はご容赦。
電源トランス1個、ヒータートランス3個、インプットトランス2個、プレートチョーク2個、アウトプットトランス2個で合計10個、真空管は合計4本。相変わらず、真空管の2倍以上のトランスを使っている。整流は簡便のために半導体を使用している。
ボリウムは、アルプスの2連ミニデテントを使っている。アウトプットトランスは、東栄変成器のオリエントコア使用、直流重畳Max25mAという代物を使ったが、3B4にはIp+sgを16mA程流している。
SP使用時には余り気にならないが、ヘッドフォン使用時にはノイズが少し気になった。どうも右側のヒータートランスからの漏洩磁束を左チャンネルの3A5が拾っている様だ。本来は両者をもっと離して穴開けしなければならなかった(反省)。球にシールドケースを付けることも考えているが、間に合わせの窮余の一策として、昔家人が使っていた食パン(?)用の型を上からトランス部分にすっぽりと被せてシールドとしている。結構分厚い鉄板なので格段に効果が見られた。不意の感電予防にもなり好都合だ。
数万円掛けてわざわざ製作したアンプではあるが、ミニコンポ用の大きいSPボックスに繋いだせいもあり、SPボックス入りで数千円で購入できる半導体使用のチャチなアンプとは異なり、音質が格段に向上して悦に入っている。
(2025/06/29)