Wunderlich管シリーズ

 

 1932(昭和7)年5月に、ラジオの検波用として、開発されたのがWunderlich管です。Wunderlichは、開発者の名前に由来していますが、2組のグリッドが同一平面に設けられているユニークな構造をしています。

 その後、カーラジオ用の6.3VヒータータイプがA-Autoとして作られ、元の2.5VタイプをAと呼ぶようになりました。

 Sylvaniaでも29として、KenRadでも90として製造されましたが、余り使われることなく終わりました。

 

Wunderlich A

 製造は、ブルーガラスで有名な、Arcturus。元箱にも、アルファ星(アルクトゥールス)が輝く牛飼い座が印刷されていて、元箱とベースの両方に"Arcturus Radio Tube Co"と表記されている。ガラスは例によって綺麗なブルー、ベースも綺麗な赤(小豆)色で魅力的な球。プレートは角形。見づらいがグリッド支柱が4本(四角配置)あり、結局グリッドが2組ある。UYタイプとUZタイプとがある。

 

Sylvania 29

 ベースには、Sylvania 29 とだけ刻印されているが、製造は、やはりArcturus。上のWunderlich Aと同じで綺麗な球。良く見ると、上と同様にグリッド支柱が4本(四角配置)あって、グリッドが2組あるのが解る。

 

KenRad 90

 初期型はナス型だった様ですが所持していません。これはSTになったごく初期のものと思われます。プレートが丸形になっただけで、グリッド支柱が4本(90度ずつの対角配置)あって、グリッドが2組あるのは同じです。刻印ベース。管壁と元箱頂部に"90"とスタンプされている。

 

(2009/04/25)

 

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