WE701A パルス変調用傍熱4極管
第二次大戦中に米軍のレーダーのパルス変調用に開発されました。WE350Aの電極を4個並列封入した球と言われていますが、グリッドにも金メッキが施されていて造りは見事です。ゲッターもシングルやダブルがあります。1本毎にSerial Numberを打っているのは流石です。ダブルエンド構造の宿命か、プレートを上部から吊り下げて固定しているだけなので、プレート位置の保持精度に難がある様で、1本毎のばらつきが問題です。
得られる音は流石にレーダー用に開発されただけあって、力強く押しの強い堂々とした感じが気に入っています。問題は、8V7.5Aも喰うヒーター電力と独特なソケットです。
実測ですが、上下のピンを除いて高さが148mm、直径102mm、足ピンの直径は8.4mm、重量327gでした。大きさと重量感とを出来るだけ実感して頂けるようにと、写真を大きなサイズのものと入れ替えて、併せて古いと思われる順番に掲載しました(間違っていたら御免なさい。)。
WE 701A
白色のゴシック体でプリントされている。D-160810ともプリントされている。上下に十字のセラミックサポート。プレートはモリブデン(と思われる)板をかしめて、フィンを設けながら複雑な形状としている。下の各足ピンへの引き出しもコの字型の太い板。
トップピンからぶら下げられた四角い板に溶接された4本の針金が下に延びてプレートの各フィン部分に溶接で固定されている。プレート内部に4組の電極が見える。太いカソードスリーブ。グリッドは金メッキされている。グリッド支柱に放熱フィンが設けられている。ビーム形成板は見当たらない。セラミック板の中心部で4本のG2支柱をまとめている。
こちらの球は、オレンジ色と反対側に白色とゴシック体のダブルプリント。
下部セラミックの下からの眺め。4組のヒーターとG1への導入線はリング状になっていて極超短波に配慮した造りとなっている。
CW 701A
米海軍用ナンバー。オレンジ色でU.S.NAVY TYPE CW 701A 等とプリントされており、反対側は、白色ゴシック体で同様のプリント。
内部構造は同じ。
こちらは、オレンジプリントでWestern Electricも同色でイタリック体となった。250時間保障とプリントされている。天晴れです。上のピンへの引き出し板が銅製となった。
下からの眺め。
JAN-CW 701A
オレンジプリントでWestern Electricも同色でイタリック体は上と同じ。内部構造も同じ。
4P55(56)と4B85とWE701Aとの大きさ比較をしてみました。
左から、6V6GT 6AR6 4P55(56) 4B85 WE701A です。畳の目の大きさからも球の大きさが判ります。4P55(56)や4B85は6V6GTで、WE701Aは6AR6で、各々ドライブしたいと思うのは私だけでしょうか。
(2007/10/27)
(2012/12/23)
(2013/01/20)
規格表 アメリカ製オーディオ球 01ナンバー WE球 総目録 真空管トップ トップ