WE275A 電力増幅用直熱3極管

 

 WE275Aは、WE300A/Bが登場する以前のオーディオアンプに使われていました。

 

WE 275A

初期型のナス。浅い刻印ベース。幅の薄い丸形の黒化プレートが収まっている。ガラスビード支持。

プレートの形やステム廻りなどの内部構造からみると、Sparton/Cardon系の183に良く似ています。電気規格を比較しても、丁度WE275Aが2倍となった様な感じです。共に、5Vフィラメント管で、183RCA 245WE275ARCA 2A3というのがそれを裏付けていると思います。私の想像では、WE183を基にして、パワーアップを図り、ほぼ2倍の容量の球を造り上げたのではと推測していますが、どの様なものでしょうか。

type Ef If Ep Eg Ip Gm μ Rk Ri RL Po
183 5 1.25 250 -60 30 1700 3.2 2000 1750 5000 1.8
WE275A 5 1.2 250 -60 53 2780 2.8 1100 1000 3000 2.6

これ以外にも、パンチングプレートタイプも存在した様です。

後期型のST16タイプ。黄色プリント。内部構造は、同様。STに伴って、ガラスビード支持がトップマイカ支持に変わった。

おむすびマイカ。

音質は、良く言えば「朗々」ですが、悪く言えば「キレがない」という感じでしょうか。そしてその造りもおむすびマイカはともかくとして、それ以外には、フィラメントもごく普通の2往復のM型ですし、ステムも幅広いトップがフラットなものでもなく、WE球らしくない点が幾つも見受けられて、眺めていても面白くありません。何れにしても私個人の評価は、WE球には珍しく低いです。

 

(2006/08/27)

(2010/10/31)

 

          規格表 アメリカ製オーディオ球 75ナンバー WE 総目録 真空管トップ トップ