WE252A 電力増幅用直熱3極管

 

 WE252Aは、WE300A/Bが登場する以前のオーディオアンプに使われていました。初期型はメッシュの黒化プレートでしたが、その後、板プレートとなり、その後、刻印ベースからプリントベースに至るまで製造されましたが、最後までナス管構造を維持したまま、ST管構造のものは製造されないままとなりました。音は太いフィラメントから予想されるとおりの太さと力強さを持った音で気に入っています。

 我が国でもNECで相当管が製造されましたが所持していません。

 

WE 252A

 初期型。リブの付いた大型で角形の黒化メッシュプレート。プレートの支持構造も250などと同様に、ステムにマイカを巻き付けた後に、プレートからの4本のピラーを溶接した金属バンドをビスナットで固定している。浅い刻印ベース。ガラスバルブは250と同じ太いS21型。私の宝物内の1本。

 外形・規格共にRCA250と似ています。プレートの色や形、特に黒化メッシュプレートという内部構造からみると、Sparton/Cardon系の281相当管に良く似ています。Sparton/Cardon系で黒化メッシュプレートの250相当管を製造していたかどうか不明ですが、私の想像では、WESparton/Cardon系の250相当管を基にして(あるいはSparton/Cardon系の281相当管を基にして、250に応用して)、さらにパワーアップを図った球を造り上げたのではと推測しています。

type Ef If Ep Eg Ip Gm μ Rk Ri RL Po
250 7.5 1.25 400 -70 55 2100 3.8 1300 1800 3670 3.4
      450 -84 55 2100 3.8 1500 1800 4350 4.6
WE252A 5 2 400 -55 44 3100 5.12 1250 1650 4000 5
      450 -65 44 3050 5.1 1500 1650 5000 6.2

 WE252Aの象徴、トップのタイトサポート。ステムの上部には円形マイカ板。

 

こちらは後期型。といっても刻印タイプ。内部構造は、上のものと同様で、黒化メッシュプレートから黒化板プレートとなった。但し、このサンプルは、細身のS19タイプ。

 ガラスのトップに朱色で"GOV"とプリントされている。政府関係に納入されたのだろうか。

 

(2010/10/31)

 

          規格表 アメリカ製オーディオ球 52ナンバー WE 総目録 真空管トップ トップ