WE215A 電圧増幅用直熱3極管

 

 WE215Aは、第一次大戦時の可搬型の電池式無線機用に開発されたプロトタイプから派生して、1919年に開発されました。当初から独特のベークライトベースを持っており、専用のソケットが必要です。UV-199よりも小さくて、1V0.25Aの低消費電力のフィラメントと相俟ってピーナッツチューブ(Peanut Tube)と呼ばれて可愛がられました。戦後(特にカナダでは)民生用としてスーパーヘテロダインラヂオに用いられたりした様です。同軸円筒状プレートとスパイラルグリッド、そして垂直に1本ピンと張ったフィラメントの基本構造は、後にWE239Aに引き継がれて行きます。

 

NE(Northern Electric) R-215A

カナダ(Canada)のNE(Northern Electric Company)でもR-215Aの名称で造られました。元箱を4種類所持しており、古いと思われる順に紹介します。(間違っていたらごめんなさい。)

Western Electric とある。"PRINTED IN CANADA"となっているということは、中身はWE製かも。

Western Electric とある。デザインもWEを踏襲している。"NE.R-215-A Miniature Vacuum Tube MADE IN CANADA"とも表記されている。1923〜4年頃と推定している。

Northern Electric Companyとある。デザインが独自(?)となった。R 215-A "Peanut" Vacuum Tubeとも表記されている。1923〜4年頃と推定している。

上と同じ様なデザインだが、箱の色がオレンジからベージュ(?水濡れで汚れています)となった。R 215-A "Peanut" Vacuum Tubeとも表記されている。1924〜5年頃と推定している。

 

中身の球。トップチップでゲッターが無いので内部構造が良く見える。垂直の同軸円筒形プレートも一部空いているので中のグリッドやフィラメントの構造も良く見える。バイヨネットピンは金属の初期型。後期型になるとバイヨネットピンも一体化したベークライトベースとなる。

上部からの眺め。本当に可愛らしい感じ。

 

(2017/03/26)

 

 

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