WE101D/101F系 電圧増幅用直熱3極管

 

 WE101Dは、101シリーズとして電信電話のリピーター用にWestern Electricで古くから開発され、広く用いられました。通称テニスボール型のメタルベース時代のものでも4万時間寿命があった(朧気な記憶では海底通信線の中継器にも使われた様な)のとのことで、80年も昔のものでもLED電球に負けていないのは天晴れです。続いて、ベークベース時代にフィラメント電流を半減(1A→0.5A)したWE101Fが登場しました。ST管時代になってからも軍用にも転用されました。直熱3極管としてWEらしい力強い音を手軽に実感するには最適の球かと思います。WE101DWE101Fとを差し替えるとフィラメントの太さの違いによる音の傾向を実感することができます。各国で同型管や類似管が製造され、技術導入していた我が国のNECでも製造されました。

 

WE101D

 こちらは後期のSTタイプ。ST14型のバルブに分厚く大きな黒化プレートが入っています。ステムの上部が平らなのと、ステムから立ち上がったピラーが電極を直接支えているのはWE独特の構造です。足は標準UVベースでピンの先に金チップも付いています。

 フィラメントはWE独特の3本吊り。サイドマイカも3個でトップマイカも独特のおむすび型。

WE101F

 テニスボールタイプの初期型。通称ハーフグリーンと呼ばれ、頭頂部に緑のペイントが塗ってあり、電流半減をアピールしている。管名と特許日が管壁にエッチングされている。プレートはリブ付きのニッケルプレート。プレートの形とプレート支柱が板極型から進化した通常の形になった。但し、フィラメント吊りはガラスビード。フィラメントは2点吊り。

 こちらは後期のSTタイプ。構造はWE101Dと全く同様でフィラメントが細い以外見分けがつきません。

NEC 101F

 こちらも国産後期のSTタイプ。ST14型のバルブ形状はNEC独特の趣があります。中央部のポッチやリブも含めてプレートの形状と材質のみがオリジナルと全く同じところが面白いところです。"1954-4"とプリントされている。別に"○にト"ともプリントされている。ガラスとベークベースとの間に緑色の防湿処理が施されている。

 2枚のサイドマイカを設けた丁寧な造り。流石に通信用は違います。フィラメントは普通の2本吊り。

 

 他にもありますので、見つけ次第追加します。

 

(2010/03/28)

 

            規格表 アメリカ製オーディオ球  01ナンバー トップシールチューブ WE 総目録 真空管トップ トップ