PX4系 電力増幅用直熱3極管

 

 小型電蓄用の出力管として有名なPX4です。英国各社で、同等管が製造されました。Ediswan MazdaではPP3/250FerrantiではLP4MullardではAC044Cossorでは4XPと命名されています。各社独自の拘り・個性・ポリシーが感じられて、構造の違いを眺めているのも楽しいものです。同じブランドでも製造時期によって色々なタイプがあります。

 

Marconi PX4

 最初期のナス型ですが、内部は、大型のプレートが斜めに配置されています。フィラメントは蒸発型でゲッターはほとんど管面一杯に飛ばされています。プレートの斜め配置は、ゲッターの汚染からステムを守るためか、大型のプレートを内部に格納するためか、恐らく両方でしょう。RE604などと同様に好ましい音を聴かせてくれますが、旧規格のEpMax200Vですので注意が必要です。

 

Osram PX4

定価12シリング6ペンスとある。(20シリングで1ポンド)

外観・構造は、当然ながら、上のMarconiと全く同じです。ベースはMOValveの典型的な形で、プレートピン部分に目印のひだが付いている。

 

Ediswan Mazda PP3/250

初期型のナス型です。造りの見事さに感心します。Ediswan Mazda独特の頭頂部の平べったい感じが印象的です(川西C-202Aと同様)。管内には、分厚い黒化プレートが収められています。ニッケルプレートのタイプもあります。ベースも小型の独特の形状をしています。フィラメントは4本吊りで、ガラス棒で支持しています。最も特徴的なのは、グリッドの上部を取り囲むように設けられた金属板で、フィラメントからの不正放射の防止とグリッドの放熱を兼ねている様です。後期にはドーム型も製造された様ですが、初期型のPP3/250のEpMaxは、型番通り、250Vですので、注意が必要です。

トップには、PP3/250MAZDAがスタンプされています。

 

(2009/07/25)

 

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