MKT4 電力増幅用傍熱ビーム4極管

 

 MKT4は、ラジオ用のポピュラーな傍熱型5極出力管であるMPT4をビーム管仕様とした球です。Marconiなどで造られました。元のMPT4自体が足が5ピンと7ピンと2種類あることに由来してMKT4も足が5ピンと7ピンと2種類あるので区別しないと差し替えはできませんので、ラジオの補修などの際には注意が必要です。足が違うのであれば管名を変更した方が間違いが無くて良いのではと思いますが、これもアングロサクソンの頑固さの現れでしょうか。米国系で敢えて言えば6V6G/GT相当といったところです。

 

Marconi MKT4(5pin)

元箱。下の7PINの箱よりも新しいタイプ。ちゃんと箱にも管名の後に"5PIN"と区別して記載されている。価格は17シリング6ペンスとある。

カーボンスートされた普通のSTタイプ。管壁にMarconiと管名が白色でプリントされている。足はUF5ピンで、スクリーングリッドからのリードは、ベースの横のネジが切られた端子の先端に軸の内部から引き出されハンダ付けされており、そこにつまみを被せ、外部からのリードを締め付け固定する様になっている。

トップからの眺め。G1にフィンが見える。

 

Marconi MKT4(7pin)

珍しい大型STタイプ。クリアーガラス。管壁にMarconiのデカールと反対側に管名が白色でプリントされている。足はブリティッシュ7ピン(B7)。製造はCossorと思われる。

トップからの眺め。平型プレートで第3グリッドが見える、すなわち5極管構造。ということは、中身はMPT4で、表示だけMKT4としたのだろう。同等管ということで細かい点には拘らなかったのだろう。

元箱。上の"5PIN"の箱よりも古いタイプ。ちゃんと箱にも管名の後に"7PIN"と区別して記載されている。価格も同じ。

カーボンスートされた普通のSTタイプ。管壁にMarconiのデカールと反対側に管名が白色でプリントされているのは同様。

トップからの眺め。当然のことながら、上の5ピンのものと全く同じ構造。ベースのみを替えている。

 

(2012/09/23)

 

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