LS180 UHFパルス発振送信用直熱3極管

 

LS180は、第二次世界大戦中にドイツのウルツブルグ(Würzburg)・レーダーの心臓部である、発振管として開発されました。フィラメント電圧6.1V、フィラメント電流15A、プレート損失165W、最大周波数600MHz、パルスプレート電圧8kV、パルスプレート電流4A、パルス出力8kW、パルス幅2μsという素晴らしい性能です。一体寿命はどの位だったのでしょうか。

ドイツから我が国へのウルツブルグ・レーダーの導入は、潜水艦を使用して惨憺たる犠牲の下に何とか技術者、技師、図面などがもたらされ、やっとのことで国産ウルツブルグ・レーダーが完成したのは終戦直前でした。終戦直前とはいえ、困難な状況下レーダーを完成された関係者の方々の努力には頭が下がります。その国産化までの経緯は、津田精一著「幻のレーダーウルツブルグ」に、ドイツ本国からレーダー現物や図面などが日本国まで輸送される経緯は、吉村昭著「深海の使者」に、それぞれ詳しいので、そちらをご覧下さい。

 

Telefunken LS180

管名と社名、及び1本毎にロット番号がガラス壁面に金色でエッチングされている。下部には国防軍用のマークも付いている。フィラメントリードは下側に2本引き出され、プレートとグリッドの引き出しは上部のピンから2本ずつ引き出されており、そのままレッヘル線に接続されていた。プレートの材質はグラファイトで初期型。使った形跡が見当たらないことから未使用と思われる。後期型のサンプルでは、プレートが水車の様なフィン付きの金属タイプとなる。

電極部分のアップ。グラファイトプレートの空洞内に、下部から支持されたスパイラルフィラメントが収められており、その外側にケージ状のグリッドが上部から支持されている。

上下を逆にして、上面からの電極部分のアップ。高周波の損失を抑え、大電力に耐えられる様にがっしりと造られている。

トップからの眺め。

 

 

(2015/12/27)

 

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