BO 電圧増幅用直熱3極管

 

 BOは、Gerald F.J.Tyne氏の"Saga of the Vacuum Tube"によれば、BFから続く電信電話用の真空管で1926年にSiemens&Halskeで開発され、酸化物塗布型フィラメントで7500時間の寿命を有するとのこと。欧州伝統の水平同軸型の電極を有する綺麗な球で私の好きな球の1つ。その後は、Baに引き継がれて行くことになる。なお、この本のp.434のFig.21-6は、"BF"ではなく"BO"の写真と思う。この写真をみて以来憧れていたが、入手できたので以下に紹介する。

型 名 Ef/V If/A Ep/V Eg/V Ip/mA Gm/μS μ Ri/kΩ
BO 1.8 1.1 220 -6 3 500 14 25
Ba 3.5 0.5 220 -6 3 600 15 25

 

Klangfilm(=Siemens&Halske) BO

元箱。

トップシールでナス型。初期のニッケル板プレート。管壁に管名とSiemens&Halskeのマークが曇りエッチングされている。反対側には、Klangfilmのマークも曇りエッチングされている。ステムはプラチナ。ステムの両側から2本のガラス棒を立ち上げて、その先をフォーク状に4分岐させ、内側各2個でプレートを支持して、外側各2個でグリッドを支持している。グリッドは魚焼き網を丸めた様な形状をしている。フィラメントはステムから導入線を立ち上げて両端から直接支持している。ガラス細工の美しさに惚れ惚れとする。ベース部分には青い紙が巻かれて1本ごとにロット番号が打たれている。フォーク状に4分岐した電極支持部分だけにライムゲッタ(と思われる)が塗布されている。

上部からの眺め。

底部からの眺め。足ピンは真鍮で、ソケットはドイツポスト5ピン型。底面はベークライトでメタルシェル。ベース下部に足ピンの方向(位置)を規制するための出っ張りが見える。

 

 

Siemens&Halske BO

元箱。

同じ箱。別方向から。

後期型のメッシュプレート。基本的な構造は上と同様。管壁に曇りエッチングされている管名の下のSiemens&Halskeのマークが変更となった。また、ライムゲッタ(と思われる)はステム部分だけに塗布されている。

上部からの眺め。

同封されていたタグ。

 

 

別の元箱。

同じ箱。別方向から。

別の球。上の球と同じ構造。

上部からの眺めも同じ。

ステムからの電極支持部分のアップ。上の球も同じだが、ガラスの各接合(?)部分に“糸状のもの(?)”が見える。これは一体何なのか、なぜ存在するのかは不明。

 

 

別の球。基本的には上の球と同じだが、ガラスの各接合(?)部分の“糸状のもの(?)”が無くなるとともに、ライムゲッタ(と思われる)がステム部分に加えて、フォーク状に4分岐した電極支持部の基部分にも塗布されている。

上部からの眺め。

 

 

 

(2024/03/31)

 

 

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