6L6系 電力増幅用傍熱ビーム4極管

 6L6は、1936年7月RCAから世界初の電力増幅用ビーム4極管として登場しました。最初はメタル管でしたが、翌年ST16型の6L6Gが登場して、その後6L6GA6L6GTが出て、さらには6L6GB6L6GCとパワーアップが図られると共に、オーディオアンプや劇場用などの民生用の5881等はもとより、軍用などにも5932等様々なバリエーションを増やしながら、非常に沢山の品種が造られました。とても全部を集めきれませんので、当方の興味を惹いたもののみとなります。なお、送信用としてトッププレートにして耐圧を向上させた球として807があります。翌年の1937年末頃、弟分の6V6が登場してラジオや通信機、小型アンプ用にはこれで十分なので賞揚されました。足はUSオクタルの8ピンベースです。

 

RCA 6L6

赤元箱。Cunninghamの併記が無くなる。

刻印タイプからラバースタンプによる銀プリントとなった最初期の球。Cunninghamの併記が無くなる。溶接フランジ部の端面もシェルとヘッダーの2枚構造。これがオリジナル。

トップからの眺め。

 

 

RCA 1614

1614は、6L6を送信用途の軍用とした球です。ドーム部分がフラットカーブでトップが平ら、少し尖っている印象。手に持った感じでは他のメタル管と比べててっぺん部分が軽く感じる。

トップからの眺め。

 

 

CRC(=RCA) 1622

1622は、6L6を軍用とした球です。規格上は6L6より低い様ですが、6L6と同様に使用できます。

トップからの眺め。

 

 

RCA 1631

1631は、1622のヒーターを12.6V(0.45A)とした球で、同じく軍用に用いられました。ヒーターだけを別にすれば、6L6と同様に使用できます。

トップからの眺め。

 

 

マツダ 6L6G

マツダの戦後造った、6L6Gの初期型。プレートの上下をセラミックサポートで保持し、セラミックサポートをさらにマイカで保持している。

トップからの眺め。プレートの左右外側にサポートマイカを保持固定するためのピラーが見える。

 

 

元箱。「定価1,400円」とある。

こちらは新型。プレートのセラミックサポートが無くなり、上下円形マイカによるサポートのみとなった。プレートのカシメ穴が大きくなった。

トップからの眺め。大きく変わった。ピラーもプレートと一体化した。トップマイカもマグネシア塗布の円形となった。サイドマイカも設けられていて、流石に高価な球は造りが違います。

 

 

Hytron 6L6GX

Hytron6L6Gのプレート損失を19Wから21Wにパワーアップさせてタイトベースとした球です。軍用に用いられたものと思います。USオクタルのタイトベースは比較的珍しいです。

しっかりと丁寧に造られているのが判ります。

 

 

Sylvania(CHS) 5932

元箱。DATE PKD 6/52 とある。

太くて短いずんぐりむっくりの形状。極太のベースに太めのガラス管が収められている。原因は内部構造にある。面白いことに、中に6V6よりも小さな電極が2組納められており、内部で並列に接続されている。戦車搭載用に開発され1950年に登場したとのことで、横Gの衝撃に耐える様に長さを短くしたためにこの様な設計となった。後期型からは通常の1プレート型となって面白みがなくなる。浅野勇さんが嫌いだと称していたのが後期型のことか初期型をも含めてのことかは不明だが、この初期型に関しては当方は気に入っている。 

大型茶ベースに緑プリント。ロットは228で1952年28週製で箱と一致。管壁にも管名。なお、ベースの色がもっと焦げ茶っぽいものもある。

 

 

TEN 6L6GT

カーボンスートされている。製造ロットは、"EC3"。

トップからの眺め。

 

 

富士通TEN 6L6GT

元箱。TENが神戸工業から富士通になった後のもの。管壁にTENのマークと管名が赤でプリントされている。黒化プレートを用いて丁寧に造られている。学校や工場などの放送機器用に使われたのではと推測している。

細身のGTタイプなのが気に入っている。もちろん無理な動作は禁物です。

 

 

Taylor T21

元箱。

Hytron6L6GXと同様にプレート損失を19Wから21Wにパワーアップさせてタイトベース(但し、足はUZの6ピン)とした球です。軍用に用いられたものと思います。

こちらもしっかりと丁寧に造られているのが判ります。

 

 

Raytheon RK-49

元箱。

TaylorT-21と同様にプレート損失を19Wから21Wにパワーアップさせてタイトベース(但し、足はUZの6ピン)とした球です。軍用に用いられたものと思います。管壁には、ラベルと共に、RAYTHEONRK-49とプリントされている。4ピラー構造ではない。4ピラー構造のRK-49は見たことがありません。

上部からの眺め。しっかりと丁寧に造られている。

 

 

 こちらは別の球。RAYTHEONの表記がタイトベースにオレンジでプリントされる様になり、管壁にはRK49が八角形の中に表記されている。

上部からの眺め。内部構造は全く同じ。

 

 

RCA 7027

7027は、RCAが、6L6のバージョンアップを図って、太めの外囲器に電極を入れて、プレート損失を25Wにパワーアップさせ、Epmaxを450V、Esgmaxを400Vまで許容する設計として、民生用にオーディオアンプ用の球として開発・発表・発売されました。これは初期のメタルベース型。後期には普通のベークライトタイプとなる。グリッドの放熱フィンも大型の物が付けられている。右の写真の右下側には片方の放熱フィンが落下しているが、動作には支障ない。

トップからの眺め。ゲッターはトップに向かって飛ばされている。

 

 

ITT 5B/255M (=CV391)

英国STC製の元箱。1951とスタンプされている。

アルミベースのロクタル管ですが6L6と電気的に同規格なのでここに含めます。管壁に青色でプリントされています。規格上はプレート損失25Wにアップされていますが、これも無理な動作は禁物です。

浅野勇さんは「続 魅惑の真空管アンプ」の中で「ロクタル管は・・・パワー管では6V6相当の7C5が最も容量の大きなもので、GT管の6L6・・・相当の強力なタマはありません。」(p.30)と書いていますが、この球(これ以外にも5B/25○○のシリーズが沢山存在します)が存在するので誤りです。

スリムでスマート。

 

 

STC 5B/255M (=CV391)

英国STC製の元箱。FEB 1969とスタンプされている。

クロムメッキベースのロクタル管です。管壁に白色でプリントされています。

スリムでスマート。美しいです。

 

 

他の球についても、順次追加してゆきます。

 

(2012/09/23)

(2012/10/21)

(2012/11/18)

(2013/04/28)

(2013/05/26)

(2016/01/24)

(2017/02/26)

(2020/09/27)

 

            規格表 アメリカ製オーディオ球 ヨーロッパ製オーディオ球 14ナンバー 21ナンバー 22ナンバー 27ナンバー 31ナンバー 32ナンバー 49ナンバー 55ナンバー 91ナンバー RKシリーズ 総目録 真空管トップ トップ