6E5 同調指示管

 

 6E5は、ラジオの同調指示管(マジックアイ)として開発されました。既に開発されていた2.5V管の2E5を6.3Vとした球です。最初期には、ST12型でしたが、後にベースはUZのまま、T(チューブラー、ストレート)型となり、我が国では、戦後になって、5球スーパーの定番として、初めは高級品に、後には標準装備で付けられた、最もポピュラーなマジックアイでした。マジックアイの無いセットに後からマジックアイだけを追加するキットも出ていました。後になり、メーカーとしては、トーヨーが専らのように製造したこともあり、トーヨーのものが最もポピュラーでした。トーヨーでは、後にアマチュア向けに表示部の中心のキャップのところに赤いダイヤ風のカットガラスを取り付けた球を6E5Dとして販売し、アマチュアからは憧れの球となりました。マジックアイの動作としては、リモートカットオフ特性の6U5/6G5の方が優れていると思われますが、シャープカットオフ特性の6E5が賞揚されたのは、グリッドピッチが等間隔であることから製造が簡単だったことが理由でしょう。使っている内に、蛍光面の蛍光塗料の照度が忽ち落ちてくるので、真空管の中では、最も寿命の短い球で、消耗品です。

 

Webcor 6E5

管壁に管名。ベースに赤字でメーカー名と56-52とプリント。1956年52週(12月)製。カシメ止め(1ヶ所)。上部マイカにはサイドマイカが省略されて、マイカ板の四隅で管壁内に固定している。

トップの眺め。

 

 

 

以下は、国産の6E5を紹介します。

 

マツダ 6E5

見えにくいが、管壁に○にマツダと型番プリント。プレートはリブ無し。カシメ止め(2ヶ所)。

トップの眺め。トップのキャップに○にマツダのマークの刻印。

 

 

松下 6E5

ベースに白字でメーカー名と型番プリント。プレートはリブ付き。カシメ止め(2ヶ所)。

トップの眺め。

 

 

双葉 6E5

ベースに白字でメーカー名と型番プリント。プレートはリブ付き。カシメ止め(2ヶ所)。

トップの眺め。

 

 

Fuji 6E5

管壁に○にFujiと型番と検査済とプリント。プレートはリブ無し。溶接止め。

トップの眺め。

 

 

トーヨー 6E5

管壁に○にトーヨーと型番プリント。プレートはリブ付き。カシメ止め(1ヶ所)。

トップの眺め。

 

 

トーヨー 6E5D

管壁に○にトーヨーと型番プリント。管壁のDの字が誇らしげです。プレートはリブ付き。カシメ止め(2ヶ所)。

トップの眺め。我が家で一番大きな宝石が輝いています。

 

 

 

他の球も、見つけ次第追加します。

 

 

(2015/06/27)

(2017/07/30)

(2022/03/27)

 

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