TV球使用0-V-1 3AU6−4M-P12 2球ラジオ

 

 このラジオは、昔から計画していましたが、製作が大変遅くなってしまい、結局加藤さんの作られたラジオと同じ様な構成となってしまいました。計画は以前からあったということでご勘弁願います。なお、ケースは加藤さんご本人に購入して頂きました(感謝)。ラジオ本体の完成からHPにアップするまでまた遅くなってしまいました。

 球の紹介からです。検波段の3AU66AU6をTV用にしたトランスレス球です。6AU6は、5球スーパーに使われていた6BD66BA6しか知らなかった当時の私にとって憧れの球でした。出力段の4M-P12もトランスレスTV用の音声出力管ですが、6AR5を高Gmに発展させた球です。我が家に最初に来た三菱製の14インチ白黒TVに使われていたのもこの球でした。やはりラジオの6AR56AQ5位しか知らなかった当時の私には見慣れない(聞き慣れない)球で、TVの茶色の裏板ボードに印刷されたブロック図をみて不思議に思っていました。これらTV球が全く省みられていない状況に、余りにも球が可哀想になり、何とか活かしてやろうと考えて製作したのが以下のラジオです。

 まず、部品集めですが、コイルは以前秋葉で購入したあったあさひ通信製の並四コイル、バリコンはラジオ少年で購入してあった親子エアーバリコン、電源トランス、ヒータートランス、出力トランスは東栄変成器で購入しました。回路は基本的に加藤さんのラジオと同じですが、2つだけ異なります。1つは検波段の負荷をチョーク負荷としました。仮組で抵抗負荷と比較しましたが、断然チョークの方が感度が大でした。ここにはAESから購入したHammondの150H8mAのチョークを使用しました。2つめは再生にバリコンを使用しました。ポリバリコンに延長軸を付けて、あと直列に100pFのコンデンサーを繋いで容量の減少を図ると共にショートを防いでいます。

    

 下の左のつまみがメインSW&検波管のスクリーングリッド電圧調整、下の右のつまみが再生バリコンです。出来上がって、再生の調節をしてみると、まず初めに、メインバリコンで放送を同調させた後、次に左のつまみでスクリーン電圧を調節して最も高感度の位置に調節した後、右のつまみで再生量を調節(通常と逆に右に廻すと再生量が少なくなりますが)すると、再生の仕組みが良く理解できます。左右のつまみの調節具合でなかなか面白く遊べます。

 とりあえず完成後、また悪い虫が騒ぎ出して、検波管の3AU6について真空管を他の種類に代えたら一体感度がどうなるかと思いました。幸いなことに、KとG3とをソケットで接続していますので、3AU6とはKとG3の引き出しが異なっている他のTV用のトランスレス球とそのまま差し替えができるので好都合です。早速手元にある使えそうなTV球を片っ端から取っ替え引っ替えして差し代えてみました。結局、3BZ63CB63DK63M-R243M-V7、さらにはFM検波用の3DT6も含めて、手元の7ピンmTで3.15V0.6AのRF5極管、検波管はどれも大差なく使用できたのには驚きました。これであまり使い道のないTV球をまた活かしてやれそうです。

 以上、とりとめのないことを書いてきてしまいましたが、皆様の何かのご参考にでもなれば幸いです。

 

(参考URL)

 リンク先にある加藤さんのHP内の"並三(3ペン)ラジオ"を参照してください。

 

(2011/01/23)

 

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