171/171A系 電力増幅用直熱3極管

 

171/171A/71A系は、私の好きな球の一つです。

ラジオの出力管として開発されましたが、その後オーディオアンプにも用いられ、息の長い寿命を保っています。

浅野勇さんの「魅惑の真空管アンプ」以来、現物を見ることもなく、ただ憧れていましたが、20年以上昔、上京して初めて秋葉原で購入したCHS71Aを使った初めての自作プッシュプルアンプを今も使っています。

12Aが標準のラジオ党からみれば音が太いと言われ、45が標準のオーディオ党からは線が細いと言われる71Aですが、私にとっては軽くて素直でなかなか良い音で好きです。最大出力0.79Wでも出力不足は感じません。

フィラメントも0.5Aから0.125Aまでのバリエーションや材質もトリタンから酸化物被膜型までと様々なタイプを楽しめるのも魅力の一つです。

その後、コレクションが増えたため、各種の71Aを差し替えられる様にと、シングルアンプを製作しました。

 

Cunningham CX371

RCAUX171と同規格で、5V0.5Aのトリタンフィラメント。明るく輝く。

真鍮ピン。

別な球。ボロいがラベルが残っている。

トップマークもある。

また別の球。違うラベルの形。

上からの眺め。ガラスバーが見える。

 

CeCo J71

同じくトリタン0.5Aタイプ。

赤色のラベル。管名は管壁に表示されている。刻印ベースではない。足ピンも真鍮。

 

こちらの球は、小豆色のラベル。刻印ベースとなった。

 

Gold Seal X-171

独特の面白い形状。ラベル付き。

 

de Forest DL14

輸送箱。中に綿にくるまれた缶(下写真)が収められている。

元缶。蓋にラベル貼付。胴部にはDL14の管名のラベルが貼られている(多分他の球の缶の使い廻しの為と思われる)。"LOW MU POWER AMPLIFIER"とある。内部には、胴部の太い球(下写真)が綿にくるまれて、外側にデータシートを添付して挿入されている。かなりきつきつの状態で球を抜き出すのに一苦労する。

トップシールにアイソランタイトベース。足はUXでピンは真鍮。胴部にオレンジ色のラベル付き。偶々ゲッターの少ないサンプルがあったので内部構造を見ることができた。フィラメント吊りは1ヶ所でフィラメントは逆V字型。ニッケルプレートには蝶ネクタイを縦にした様な補強リブが設けられている。

フィラメントは5V0.5Aで、煌々と輝く。トリエーテッドタングステン(トリタンTh-W)ではなく、イットリウム使用のイットリエーテッドタングステン(Y-W)という説もあるがまだ確認していない。そういえば点灯時の色合いがトリタンとは多少異なるかも知れない。丁度RCA系の171に相当する。171のGm1700に対してGm1100程度でやや小さいが、同様に差し替えて使える。音については気のせいか171よりもキレが良い様に感じる。1927年頃の製造。

 

RCA 171A

171Aとなって、フィラメント電流が0.5Aから0.25Aに半減された。酸化物被膜型。

 

Cunningham CX371A

ガラスバーによる電極支持。

ガラスビードとマイカによる電極支持。

 

Sylvania SX171A

 

Perryman PA171A

Perryman独特のセラミックサポート。細いコイルスプリングでフィラメントを吊っている。

 

こちらは珍しいメッシュプレートタイプ。

 

Premier 171A

ラベルが美しい。

 

Raytheon ER171A

旧型ボックスプレートタイプ。4ピラー構造。

 

こちらは新型ボックスプレートタイプ。同じく4ピラー構造。

 

Arcturus 071A

同社得意のブルーチューブ。

右側の球のトップには、スターマークが見える。

 

こちらは、ブルーではないが、ブルーでなくなってから、日が浅いと考えられる。

 

Majestic G71A

酸化物フィラメントタイプ。0.5Aの様だ。

 

De Forest 471A

酸化物フィラメント。

 

De Forest 471B

こちらも酸化物フィラメント。但し、0.125Aの省電力型。

 

 

以下は国産のUX-171Aを紹介します。

 

サイモトロン UX-171A

刻印。

 

マツダ UX-171A

マツダの初期の刻印両丸タイプ。

トップからの眺め。トップマークもある。

底面の眺め。底面のマークが〇に”マツダランプ”付きのマツダとなっている。

 

別の球。マツダの初期の刻印両丸タイプ。上の球と全く同じ造り。

トップからの眺めも上の球と全く同じ造り。

底部からの眺めだけが異なる。底面に〇にTECのマーク。上の球とどちらが古いのか不明だが、とりあえずこの順番としておく。

 

元箱。

両丸でない刻印ベース。

トップからの眺め。

 

別の球。刻印ベース。

トップからの眺め。

底部からの眺め。

 

ドン UX-171A

刻印ベース。円形リブ付きプレート。フィラメント吊り用に別途白いガラスビードが使われている。

上方からの眺め。

ベース底からの眺め。FFだけが浮き出しマークになっている。

 

以下はSTタイプのUX-71Aを紹介します。

 

Raytheon 71A

Raytheon独特のマイカ形状。

 

こちらは珍しいタイトベース。

 

Sylvania CHS 71A

1945年2月受入れとある。

バヨネットピンも設けられており、米国海軍のイカリマーク付き。

Sylvaniaの標準的なマイカ形状。

 

以下は国産のUX-71Aを紹介する。

 

マツダ UX-71A

刻印ベース。円形リブ付きプレート。ガラスが若干緑色。

上部からの眺め。

 

こちらは刻印でないベース。バヨネットピンも設けられている。造りは全く同じ。

 

こちらは別の球。造りは全く同じ。

トップマークがある。

 

こちらはまた別の球。造りは全く同じ。

 

 

ドン UX-71A

赤刻印ベース。DoNマークの黒化エンボスプレート。他社の71AのST14型の外形と異なり、UX-12Aと同じST12型のホッソリした外形。プレート損失に耐える様に黒化処理したと思われる。

上方からの眺め。赤字のトップマーク。十字マイカ。

ベース底からの眺め。1234が浮き出しマークになっているが、ナンバリングは旧式。

上のドンのUX-171AUX-71Aとを並べてみた。

 

 

CeCo M71A

こちらは珍しいMG管。Gold SealのOEM品。アルミ製のシールドケースに黒色塗料が塗ってある。プリントは、"CECO"と"71A"となっている。

 

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