12X-K1 半波整流用傍熱2極管

 

 それまで米国由来のトランスレス球として12Z3などはありましたが、ヒーター電流300mAで消費電力やロスも大きかったため、さらに節約型のヒーター電流150mAシリーズとして、昭和14(1939)年に東京電気(マツダ)がトランスレスラジオ用として開発した整流管が12X-K1です。丁度24Z-K2の片側のみの様な規格でしたが、我が国のAC100Vの半波整流では得られる直流電圧が低いため出力管などの動作が苦しく、ナチスドイツのDKE38を独自にコピーしたマツダ(東芝)41型3球ラジオ(12Y-R1-12Z-P1-12X-K1-B-61)等に使われましたが、24Z-K2とは異なり局型ラジオにも採用されることなく、マイナーなまま戦後は消え去りました。

 

マツダ 12X-K1

 元箱。管名は例によってスタンプ。

 ベースは赤刻印タイプ。管壁に○にマツダのマーク。その下に○放マーク。裏側に帝国海軍の錨マーク。その下に昭和18年8月製造のラベル。プレートは、当然ながら24Z-K2の片側だけの様な黒化プレートが設けられている。上部にヒーターとカソードとの絶縁用セラミックスリーブが見える。ヒーターは一直線で上部は支柱から片持ちで固定している。ガラスは緑がかっている。

 トップには"一級"のスタンプ。これだけ沢山マークが付けられていると楽しくなってきますが、旧帝国海軍で一体どの様に使われていたのか興味があります。

 

 

 こちらは別の球。ベースは赤刻印タイプ。管壁に○にマツダのマーク。その下に○放マーク。裏側に帝国海軍の錨マークは上の球と同様。ラベルは無く、19.3とスタンプされている。昭和19年3月製か。内部構造は上の球と全く同様。

 トップの"一級"スタンプも同様。

 

 

 こちらも別の球。ベースは赤刻印タイプ。管壁に○にマツダのマーク。その下に○放マーク。裏側のマークはほとんど見えない。内部構造は上の球と全く同様。

 トップからの眺めも同様。トップマークは見えない。

 

 

 こちらも別の球。ベースは赤刻印タイプ。反対側の管壁に○にマツダのマーク。○放マークは見えない。内部構造は上の球と全く同様。

 トップからの眺めも同様。トップマークは見えない。

 

 

(2010/05/30)

(2010/06/08)

(2016/03/27)

(2020/09/27)

 

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